70 Ren side ページ20
ren side…
空港にある展望デッキ
青空へ飛び立つ飛行機を眺めて
俺は深めに溜め息を吐く。
Aは、
ついに東京を離れて名古屋に行ってしまった。
身体の一部がどっか行った感じ。
なんか空洞出来た、俺の身体。
普通に寂しいよね。
付き合って1週間で彼女に旅立たれんのよ?
堪ったもんじゃないよ、こっちわ。
内心はもうね、ズタボロです。
最後まで笑えてたかな俺。
紫耀はギリギリまで泣いとったけど。
平野『寂しいな。』
まぁ今も、
俺のすぐ隣におんねんけど。
紫耀も俺と同じ顔してる。
なんか魂抜かれたみたいな顔。
.
.
平野『Aはモテるよ。』
『…分かってる』
俺らが常に側におったから
余計な虫が付く事なく今までやって来れた。
でも、俺らが居らんとなると
平野『A、普通に美人だもん。』
『だから知ってるって、うっさいな。』
平野『もう心配で仕方ないんでしょ廉。』
『………』
Aは普通にモテだすと思う。
可愛いし、明るいし。…だる。
平野『ちゃんと守れよ?彼氏なんだから。』
『…うん。』
.
あーあ。
明日からおもんないな。
同じマンションにもAおらんし。
前の席にもおらんし。紫耀しかおらんし。
平野『…で、…どうだったの。』
『は?なにが?』
電話とかしたら絶対会いたなるだけやん。
この感じやと近々俺、行ってまうな。これ。
名古屋行ってまうな。
平野『…そのぉ。…ほら、…あれよ。』
『んふふ、なに?』
平野『あれじゃん。…あれ。』
なんか隣でモジモジしだした。
なに?キモいねんけど。
『あれってなによ。』
平野『…セ、…セ、…セセセ、』
『はぁ?』
どうした。
急に。
俺は怪訝な顔をして紫耀を見る。
そんな紫耀は頭を掻きながら言葉を詰まらせる。
平野『セ。』
『セ?なに、セって。』
.
平野『…クス………。』
.
紫耀の赤面で、俺はやっと分かった。
あー、なるほどね。
あれね。あれ。
『あー、セック』
平野『わぁああああああー!それ以上言うな!』
『…思春期かお前。』
平野『…う、うるせぇよ。』
.
まぁ、結果はしてない。
焦って手出しそうにはなったけど。
これからや、これから。
.
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作者名:ayu | 作成日時:2020年10月8日 14時