～幼馴染と私～【永瀬廉】２ (ページ14)

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平野『先に登るよ？』

「うん。紫耀、気をつけて」

夜の学校へ忍び込む作戦、

ただ今実行中。

忍者のようにノシノシと足音を立てずに歩き

極力小さな声で喋りながら

正門ではなくプールの場所に近い柵を

よじ登って侵入するという作戦だ。

まぁ誰でも思いつく作戦なんだけど。

紫耀が先に脅威の身体能力で

軽々と登って柵を飛び越えて行く。

平野『よし、次A。捕まって。』

「はい！」

永瀬『落ちんなよ、お前。』

紫耀に手を引っ張られながら

割と高い壁をよじ登る。

永瀬『俺ケツ支えたろか？』

「ば、…やめてよ！！」

永瀬『しーーーっ！！…んふふ、声でかいわ。』

なんとか紫耀に支えられながら

私と廉も学校へと無事侵入した。

「…くっ…ふふふ。」

2人とも多分、

今凄いテンションが上がっている。

手を銃に見立てて

後ろ前、左右を見ながらキョロキョロと

まるでアクション映画の主人公のように。

永瀬『…紫耀、そっちどぉ？』

平野『…待ってろ。俺が見てくる。』

永瀬『…任せた。』

とにかく2人はノリノリだった。

先を行く紫耀は

人が居ないかの確認をする。

そして紫耀のオッケーサインを合図に

私と廉も小走りで向かった。

平野『え、こんな簡単に侵入出来ちゃっていいの？』

「ふふふ、…たしかにね。」

永瀬『全然警備出来てへんな。』

あっさりと侵入出来ちゃった学校のプール。

私達はさっそく靴下を脱ぎ

3人横に並んで座り足首までを水に浸ける。

夜のプールはとても冷たかった。

薄く照らされたライトの反射で

プールの水面に幻想的な色を作りだす。

平野『これってさ、犯罪なんの？』

永瀬『ちゃうやろ。』

「だとしたら凄い事に巻き込んでるね、私。」

平野『侵入罪とかになるんじゃないの？』

くだらない話はこの後も続いた。

見つかった時の脱走ルートについて話し合い

結局脱走ルートなんて無いという事に話は落ち着き

てか放課後のプールに勝手に入るのもアウトじゃん

という話になり

永瀬『そういえば俺怒られたん思い出したわ』

「ん？」

平野『アハハッ、俺も覚えてる。』

永瀬『お前をプールに落とした時の事』

「あぁ。あれね！あれは酷かったよ廉。」

そして、

3人それぞれの懐かしい思い出話が始まった。

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