～幼馴染と私～【永瀬廉】２ (ページ2)

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sho side…

俺、ちゃんと笑えてた？

落ち着いているフリ、ちゃんと出来てた？

隣で必死に言葉を探しながら

ゆっくりと話すAの横顔を

俺は見ているだけで心が張り裂けそうだった。

本当は、ちょっとだけ。

可能性もなくは無いんじゃないか、

そう思っていた自分も居て。

その小さな手も、笑った顔も全部

俺のものになってほしいと

何度願い、何度想像したことか。

でも、ダメだった。

俺フラれちゃったわ。

.

『あーー、腹減った。』

「…一緒にコンビニ行く？」

『いや、俺ちょっと一人で行ってくるわ。』

「………」

『ふふ、…先に帰ってて。』

これ以上自分を保てそうになくて

俺は逃げるようにコンビニへと向かった。

好きでもないお菓子をカゴいっぱいに詰めて

無我夢中でお会計をして。

.

コンビニを出ると、

夏の終わりを感じるような

とても寂しい香りに包まれる。

.

あー…、切な。

.

『………』

.

.

やばい。

やばいやばいやばい。

下を向いて早歩きでマンションに戻る。

.

『…なんだよ…もぉぉお…』

何度も目を擦り、

『……出てくんなよぉ………』

溢れ出てくる涙を必死で拭いた。

.

.

密かに想い続けた片想い

それは、呆気なく終わってしまった。

でも、不思議と後悔はしてないよ。

気持ちを伝えられた事も

Aを好きになった事も

幼馴染で居られた事も。

.

Aを好きになった事しかないから

次に進むなんてまだ全然考えられないけど。

もし、

俺がまた新しい恋をしたとして

大事なものが別で出来たとしても

Aが特別なのはきっと変わらないと思う。

だから廉。

.

Aを泣かしたりしたら許さないからな。

常に俺が居ること、忘れんじゃねーよ。

Aと幸せにならないと

俺、絶対許さないから。

.

.

『……明日は、花火大会か。』

.

涙を出し切った目を思い切り手で擦る。

星一つない空を見上げて

消化しきれない想いを浮かべながら考える。

『…………』

あと1週間

残り短い期間に

俺がしてあげられる事

それはきっと＿＿

.