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お互い、静かに見つめ合う。
花火で反射する廉の顔は
いつもよりどこか艶やかで、色っぽい。
私は、廉の目をしっかりと見つめて
小さく頷く。
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「私なんかで、よけれ…っ！………」
すると、
私が言い終わる前に
グイッと身体を引き寄せられ
そして廉は、私を強く抱きしめた。
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永瀬『…ほんまに言うてる？』
「……え？」
永瀬『俺と付き合ってくれんの？…』
「…ふふふ、うん。」
永瀬『……え、…ほんま？…』
「ふふふ…もぉ、…しつこい。」
永瀬『…んふふふふ。』
お互いの耳元で、
私達らしい言葉で、ゆっくりと確かめ合う。
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そっと身体を離し
今度は先程とは違う、
少し熱帯びた廉の瞳と視線が重なる。
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永瀬『…していい？』
「………。」
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私は、また小さく頷く。
じわじわと斜めにした廉の顔が近づいてきて
自然と私は、瞼を閉じる。
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「………」
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だけど、
なかなか降りてこないキスに
私はゆっくりと目を開けると
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「…え、なに？…」
永瀬『…んふふふ、いや。』
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永瀬『…ずっと見てられるなーと思って。』
「………」
廉は、私の前髪に優しく触れて
そのまま首の後ろを支えるように持ち、
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永瀬『…今日めっちゃ可愛いな、お前。』
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「………言うの遅い。」
永瀬『…ふふふ、ごめん。…似合ってる、浴衣。』
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お互い照れるように笑い合い、
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永瀬『…好きやで。』
「…私も。」
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そして、ゆっくりと唇を重ねた。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月8日 14時
