6 ページ6
.
“紫耀くんの連絡先、教えてくれない？”
名前も知らないような子に
こうして声をかけられる事も多い私。
「…あーー、ごめんそれは。」
少し背の高い女どもが3人、
廊下の端で私を囲う。
「なんで？だめ？」
「勝手には教えられない…かな。」
「幼馴染でしょ？彼女じゃないなら別にいいじゃん」
すぐに引き下がってくれる子と
このように熱狂的ファンも居て困ったもんだ。
自分で聞け。
その厚かましさがあれば聞けるだろ。
「ごめん、教えられないや。」
「…ふ〜ん。」
少女漫画か。
その腕の組み方。見下し方。
「じゃあ〜、廉くんのでいいや。教えて。」
「………」
しかし、少女漫画と少し違う所と言えば
私の性格が少々荒いという事。
「いいよ。」
「え？いいの？マジ？助かるぅ〜〜」
「多分、秒で嫌われると思うけど。」
「…は？」
つい本音が。
その3人は、
さらに私に影を作るように丸く囲い
向けられる眼差しが一気に鋭くなった。
えーーっと、
これは殴られるやつでしょーか。
私は、この女共にやられるのか？
すると、
.
平野『A？』
凄いタイミングで
ハスキーボイスが聞こえて来た。
.
.
3人の隙間から覗く紫耀の顔は
至って冷静な様子。
平野『なにしてんの？』
「し、紫耀くん…違うのこれは、Aちゃんと話」
平野『A、俺売店行くんだけど行かない？』
「……」
紫耀にはこの3人が透けて見えてるようだ。
まるで3人の存在自体を消すように
私だけを真っ直ぐに見て話をする紫耀。
平野『仕方ないから奢ってやるよ。』
「…え。」
平野『ほら、行くよ』
「…あ、ちょっ！！」
力強く私の腕を引っ張り出し
呆然と立ち尽くす3人に背を向けて歩き始める。
と、思いきや…
.
平野『あと、そこの人達さ。』
.
ぴたりと立ち止まって、
紫耀はゆっくりとあちらへ振り返り、
.
平野『今後、俺達とはもう関わらないで。』
「紫耀…くん。でも、私達…」
平野『もし、Aを傷つけるような事したら』
.
美しく整った紫耀の顔に、
怒りの色が足されると
平野『俺、女の子でも容赦しないから。』
.
背筋が凍る。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1936人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月29日 20時
