～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ37)

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永瀬『お前パーカー脱げよ暑苦しい。』

平野『いや脱いだらダメでしょ！絶対ダメ！』

「…もぉーー、うるさいなぁ！」

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パラソルを組み立てて

その下に敷いたシートの上で

三角座りをして座る私と

永瀬『ちょ、A背中塗って。』

足を広げて座りながら

面倒くさそうに自分で日焼け止めを塗る廉と、

平野『ねぇ、早く海入ろーよ！！』

もう浮き輪を腰に巻きつけ

何故かゴーグルも装着し始める紫耀。

「貸して？」

永瀬『ん。』

渡された日焼け止めを自分の手に出し

それを慣れた手付きで廉の背中に塗っていく。

なんか、ほんと背中も広くなったなぁ廉。

相変わらず細いけど。

永瀬『……』

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満遍なく塗り終えた私は、

はい、とまた日焼け止めを廉に返した。

永瀬『お前も塗ったろか？』

「いらない、なんか変なことしそうだもん。」

永瀬『んふふ…せぇへんから、早よパーカー脱げ。』

「……」

手を差し出してくる廉に、

私は疑いの目をしながらも、日焼け止めを渡す。

が、

平野『お前バカか。下心に決まってんだろ。』

「………」

平野『背中くらいちょっと焼けたっていいじゃん。』

と、すぐに紫耀に止められた。

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永瀬『良心で塗ったろうと思ったのに俺。』

平野『嘘つけ。油断も隙もねぇなお前。』

2人の言い合いがまた始まったので、

「………。」

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私はその隙に

パーカーのチャックを下ろす。

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すると急に静かになり、

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「…あんま、見ないでよ。」

平野『見てないって』

永瀬『早よ脱げや鬱陶しい。』

はぁ…

もういいや。

脱いじゃえ。

開き直るように

私は堂々とパーカーを脱ぎ捨て、立ち上がる。

「早く行こ、海。」

平野『……。』

永瀬『……。』

あれ、笑わないんだ。

これは予想外だったな。

私は、紫耀と廉の腕を同時に掴み

「ねぇ、もぉ早く行こ。」

平野『…うん、行こ。』

永瀬『……』

急に大人しくなった2人を

無理矢理海へと連れて行く。

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