～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ31)

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31 Sho side ページ31

sho side…

『廉？』

永瀬『……』

俺の声に反応した廉は、

え？っと驚いた顔をする。

永瀬『…なんでおるん。』

『なんでって？』

気まずそうに髪を触りながら

顔を歪ませて廉は言う。

永瀬『Aと行かんかったん。』

『うん。』

廉は目を丸くして驚いた後、

また気怠そうに目を背けて下を向く。

永瀬『……あっそ。』

.

なるほどね。

なんか、分かっちゃった。

俺さ、結構感は鋭い方なんだわ。

.

『そんな事より、廉。』

永瀬『…なに。』

『どうしたの、その顔。』

永瀬『……。』

俺の言葉に、分かりやすく廉の目が泳ぐ。

ていうか、

『ほっぺた、真っ赤じゃん。』

永瀬『………』

物語ってるよ。

『それ、手形だよね。』

永瀬『……。』

Aの急なドタキャン

平手打ちを食らった後のような廉の左頬

繋げたくなくても、

嘘がつけない二人のせいで

気づいちゃうんだよ俺。

『Aにやられた？』

永瀬『………』

『ははっ、そんな事するやつ他に居ないもんね。』

.

ずっと下を向いたまま

口を開こうとしない廉。

『なにしたの、Aに。』

永瀬『別になんも。』

『じゃあなんで叩かれた？』

永瀬『………』

.

なんなく、想像出来た。

嫌なくらいに。

俺のイライラは増していく。

『いいから、答えろよ。』

永瀬『……』

.

瞼を瞑り、

俺はゆっくりと深呼吸をする。

.

そして、

.

『言えよ！！』

ガッと胸ぐらを掴み、

廉を睨みつけた。

すると憎たらしい顔をした廉は、

急にフッと鼻で笑いだす。

永瀬『…ふふっ、必死やな紫耀。』

『……はぁ？』

同じように廉の手が

俺の胸ぐらをグイッと掴み、

.

永瀬『好きな女にキスして何が悪いん。

…んふふふ、まぁキスだけじゃないけど。』

.

.

俺の

何かがプチンッと切れる音がした。

.

永瀬『なに？俺の事殴るん？』

『いや。』

永瀬『じゃあ離せっ…』

ボコッ！！……

.

.

永瀬『……った……お前、殴っとるやんけ』

『違う。』

永瀬『…はぁ？』

.

.

.

.

.

『殺す。』

永瀬『……』

.

ボコッ！！

.