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廉の手が
ゆっくりと私の服の中に侵入する。
徐々に、それは上へとあがってきて…
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「………」
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廉、私ってさ。
知ってるだろうけど、
そんな大人しいタイプの性格じゃないよ。
だから、ごめんね。
ちょっと、失礼致します。
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ガンッ!!
永瀬『…ぁあああああああ!!………』
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廉は自分の大事な所を手で押さえながら
床でのたうち回る。
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いってやりましたよ。
私の必殺技、膝蹴りをね。
永瀬『……ッ…声…でぇへん……お前なにして…』
「ふざけんじゃないわよ!!!このど変態!!」
永瀬『……待っ…痛すぎて…ちょ…静かにしてマジ』
「この変態変態変態変態変態!ど変態!!」
目をギュッと瞑りながら
なかなか痛みが治らない廉は
死んだように床にへばりつく。
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それでも私は容赦なく
廉の胸ぐらを掴み
永瀬『…ぐぇ…えっ何……まだ痛いねんて…』
「おいコラ。何してくれとんねんこのクソ永瀬。」
永瀬『…なんで関西弁?……ちょ…そっとして…』
「何した?」
永瀬『チュー』
バシッ!!
永瀬『…った!!…だから痛いて…』
「チュー以外にもどさくさに紛れて触ろうとしたな」
永瀬『…お胸の方を…ちょっと』
バシッ!!
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私は力尽くすように
その場でしゃがみ込む。
最低…最低最低最低。
「…最低だよ、廉。」
永瀬『………』
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恐らく、
私の膝蹴りと平手打ちをくらった廉は
ようやく冷静さを取り戻したようで。
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永瀬『……A』
「もう近づかないで」
永瀬『ごめん』
「やだ。」
ゆっくりと起き上がり
廉は私の腕を掴むが、
勢いよく振り払う。
「離して!!…もう帰ってよ。」
永瀬『………』
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「…帰って!!」
永瀬『………』
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廉はそのまま何も言わず立ち上がり
静かに家を出て行った。
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誰も居なくなったリビングと
食べ終わった後のお皿が一つ。
それを見た瞬間私は
急に涙が溢れて止まらなくなった。
廉の乱暴なキス
感情も無く私の身体に触れてきた廉が
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「…れんの……ばかぁ…」
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とても寂しくて、
悲しくて仕方がなかった。
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月29日 20時