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前髪で半分隠れた茶色い瞳は
真っ直ぐこちらに向けられる。
細くて長い廉の指が
私の頬に触れ
永瀬『俺に教えてや。』
「………」
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その熱い眼差しに、
私の心臓は激しく音を立てる。
「…教えてって…なにを」
すると、
頬に触れられていた指が
徐々に私の唇へと移動する。
下唇をなぞるようにした後
ムニュッとそこを押さえつけて、
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永瀬『キスの味、俺もどんなんか知りたい。』
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茶色く縁取られた瞳に
私はどんどん吸い込まれていく。
全ての形が整った廉の顔が
ゆっくりとこちらに近づいて、
鼻と鼻が擦れそうになった所で
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「…れん。」
やっと絞り出すように小さく声を出し
私は力弱く廉の胸に手を置いた。
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だけど廉は、
永瀬『嫌なん？』
「……。」
もう止まる事を知らないような、
そんな目をしていた。
少し前の私なら、
なんとしてでも抵抗したはず。
なのに、
うまく言葉が出てこなくて
身体が動かなくて、
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永瀬『…そのわりに隙だらけやけどな。』
「……」
私の手首をそっと掴まれて、
永瀬『…ほんまお前、腹立つ。』
「…だって廉が…って、ぇえ！？」
突然、ソファの上に押し倒される。
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「……ちょ、…れん？」
永瀬『俺さ、中学ん時からずっと我慢してんのよ。』
「………」
永瀬『この意味、分かるよな？』
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上から徐々に廉の顔が降りてくる。
「…ちょ、待っ『待たへん。』
身体が硬直してしまった私に
廉は躊躇する事なく、
キスをした。
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上から降りてきた柔らかい唇が
そっと離れる。
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永瀬『ふーん。…いいやん。なんか気持ちいい。』
「……」
永瀬『お前は、どうやった？』
ねぇ、
なんでそんな顔して、そんな事言えるの？
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廉、今私に何をしたか分かってる？
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それでも廉は
何かが抜けてしまったように
私の髪を優しく撫でながら不気味に笑う。
永瀬『…んふふ、なんかハマるなこれ。』
「…ちょ、…んっ！……れん…ってば」
抵抗出来なくなった私をいい事に
廉はこの後何度も、
私と唇を重ねてきた。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月29日 20時
