～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ24)

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平野『なんかごめんね。』

「……え？」

笑っているけど、

少し悲しそうに下を向きながら紫耀は話続ける。

平野『なんか俺、焦っちゃって。ほら、俺らもう

何年もずっと一緒だったじゃん？…だから

急にAが居なくなるって分かった途端…。』

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平野『誰かに取られる前に言わなきゃって…

そう思ったら、ごめん、あーなった。はははっ…』

俺ダセー…、と前髪を触りながら

自分で自分を笑うように言った。

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平野『そのぉ…返事、なんだけどさ。』

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そうだよね。

返事だよね。

あの日から、

ちゃんと言わなきゃって思いながらも

なかなかタイミングが掴めなくて。

まぁ、廉が常に近くに居たってのもあるけど。

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紫耀は、本当に優しい。

面倒見が良くて誰からも愛されて。

私はそんな紫耀が昔から大好きだ。

でも、その好きの意味は

きっと紫耀とは違った意味で

やっぱり紫耀は私の中で…

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「…紫耀、…私やっぱり」

平野『待ったぁぁあ"あああああああ！！』

「…へっ！？」

すると突然、

奇声をあげながら慌てふためく紫耀。

平野『ま、待ってそれ以上言わないで！』

「…で、でも」

平野『び…っくりしたぁ、俺まだ話の途中ッ！！』

「…あ、そうなの？…ごめん。」

自分を指差しながら必死な顔をするので

私も大人しく黙ることにした。

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平野『だから、その返事なんだけど。』

「……うん。」

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平野『まだ幼馴染としての俺しか知らないじゃん。』

紫耀は、自分の指をいじいじしながら

ゆっくりと頭で考えて話をしているのが伝わる。

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平野『ちゃんと男だから、…俺。』

「………」

平野『………』

紫耀の香水が

風と共にフワッと香る。

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平野『幼馴染としてじゃなくて、

ちゃんと一人の男として俺を見てほしい。』

いつも慣れているはずの香りが、

何故か今日は妙に色っぽくて。

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平野『そこで、判断してくんない？』

「………」

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平野『……ダメ？』

と、紫耀は不安そうに

私を見つめて言った。

そんな顔で見つめられたらさ。

誰だって…

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