～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ18)

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紫耀の胸で

私は大きく泣いた。

紫耀の手や腕が

私の身体をキツく締め付ける。

永瀬『………』

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ゆっくりと身体を離される頃には

涙も止まり、私も少し落ち着いた。

平野『…今日は、もう遅いし帰ろ。』

私の頭をポンッとした後

平野『これからの事、またゆっくり話そう』

ね？

と最後に付け足し、紫耀は優しく微笑む。

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マンションに着くまで

誰も一言も発する事なく

平野『…じゃあまた明日ね。』

「…バイバイ」

永瀬『……』

紫耀は3階に降りていく。

エレベーターに残された二人は

勿論、黙り込んだまま。

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やけに長く感じたエレベーターを降りて

私は、目線をそらしながらも

「…廉、おやすみ。」

とだけ言って背を向けた。

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すると、

永瀬『なぁ。』

背中から廉の声が。

ゆっくりと振り返って見てみると、

ズボンのポッケに手を入れて立つ廉が

真っ直ぐな目で私にこう言った。

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永瀬『さっき、俺だけに言おうとしたよな。』

「………。」

永瀬『転校のこと。』

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＿＿夏休みが終わったら私

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永瀬『なんで？』

「………。」

ゆっくりとこちらに向かってきた廉は

何かを探るように、じっと私を見つめる。

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永瀬『俺だけに言うてどうするつもりやったん？』

「………」

たしかに、

私は廉にそれを伝えて

どうしたかったんだろう。

廉の好きな人を

知ってるくせに聞き出すような事をして

何がしたかったんだろう。

永瀬『A。』

「……」

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廉の手がゆっくり私の腕を掴む。

紫耀に掴まれた時とは違う、

また何か特別な感情が込められているような

そんな気がした。

永瀬『幼馴染ってさ。』

「…うん。」

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廉は私の身体を

自分の方へグイッと引き寄せ、抱きしめる。

私の首元に顔を埋めながら廉は、

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永瀬『普通、こんな事せぇへんで。』

「………」

紫耀とは違う

また何か別の想いが込められた強さで

キツく私を締め付ける。

そして、

永瀬『ごめんやけど』

「………」

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永瀬『もう我慢すんの辞めるわ、俺。』

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