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普段ほとんど使う事がない勉強机の上に
私は珍しく教科書を開いてみる。
が、集中出来るはずもなく。
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「…もうガキじゃない、…か。」
私は紫耀の言った言葉が
まだ頭に浮かんで離れないでいた。
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＿＿簡単に男の部屋上がろうとすんな。
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紫耀も、廉も、
もう子供じゃない。
それは私も。
男女の幼馴染って難しいね。
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「お母さん、コンビニ行ってくる。」
母「もう遅いから駄目よ。」
「大丈夫だから。」
母「あ、こら！！A！！？」
ほんと、心配性なんだから。
“紫耀か、廉誘うから！行ってきまーす。”
とそれだけ言い残して
私は気分転換に家を出た。
すると、
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ガチャ
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永瀬『お前何処行くん。』
「あ、廉。」
エレベーターを待っていると
部屋着姿の廉が、
タイミングよく家の扉から顔を出す。
「コンビニ。廉も行く？」
永瀬『…おん。待ってて、財布持ってくるわ。』
「うん。」
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生温い風で覆われる夏の夜道に
トボトボと歩く二人の影。
「全然集中出来なくてさー。」
永瀬『んふふふ、そらそうやろ。お前やもん。』
「どういう意味よ！！」
そう言ってパシッと肩を叩くと
廉は嬉しそうに笑いながら肩をさする。
ほんと、綺麗な横顔。
廉は、お父さんに似たか？
「ねぇ。」
永瀬『なんや。』
その美しい廉の横顔を見つめながら
こんな事を口にする。
「廉さぁ、またこの間告白されてたでしょ。」
永瀬『……。』
「あ、そういえば紫耀も。」
廉も紫耀も、
他の男子には失礼だけど、明らかにレベルが違う。
そうなると、
勿論女の子から声をかけられる事も二人は多く
告白した、振られた、なんて噂をよく耳にする。
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「この間の子って確か凄い可愛い子だ」
永瀬『お前、それやめろや。』
「…え？」
永瀬『いちいち腹立つねん、そういうの。』
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＿＿俺が誰に惚れてんのか知ってるやろ。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月29日 20時
