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平野『…もう、めちゃくちゃ長かったぁーー』
永瀬『顔老けた?紫耀。』
平野『おい、やめろ。』
「ふふふ、紫耀が授業中寝るから悪いんだよ。」
まだ外は明るいが
時刻はすでに18時を過ぎている。
帰り道
相当長いお説教と世間話に付き合わされた紫耀は
なんだか少し疲れた様子。
「紫耀、もう今日は疲れた?」
平野『え、なんで?』
「夏休み前にテストあるから、一緒に勉強しない?」
疲れてる時に追い討ちをかけるようだけど
私達は夏休みの前にまず
テストが待っている。
永瀬『どうせ勉強してへんやろ、紫耀。』
平野『してない。』
永瀬『んふふふ、そこ堂々とせんでええねん。』
私達は廉が居なければ
この高校に入ることはまず無かった。
普段ふざけてばっかの廉だけど、
何故か成績は昔から優秀で。
平野『もう集中力ゼロなんだけど俺。』
「…ふふ、そうだよね。」
私と紫耀は
よく廉の家に押しかけて勉強を教えてもらう。
でも今日の紫耀は
もう疲れちゃったみたいだね。
「じゃあ、私だけ廉の家行っていい?」
永瀬『ええよ。』
一度着替えてから行こっかな〜
今日は数学と、あと英語を教えて
平野『Aそれは駄目だよ。』
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「え?」
永瀬『……。』
すると紫耀は突然立ち止まり、
少しだけ怖い顔をして廉を睨みつける。
平野『廉も、ええよ、じゃねーよ。』
永瀬『なにが?』
平野『とボケんな。』
え、なになに二人とも。
珍しく喧嘩?
「…え、どど、どうしたの?」
平野『簡単に男の部屋上がろうとすんな。』
「…男の部屋って、…別に相手は」
平野『相手が廉だろうと、俺だろうと関係ない。』
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もうガキじゃねーんだから__
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紫耀は吐き捨てるようにそう言って、
またゆっくりと歩き出す。
廉と私は何も言い返す事が出来ず、
立ち尽くしたまま。
平野『ほら、帰るよ。』
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ふと隣に居る廉の顔を見上げると、
同じように廉も私を見る。
永瀬『また紫耀と来れば。』
「…うん、そうする。」
永瀬『うん。』
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もう、ガキじゃない。
なんか、とても寂しい言葉だね。
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月29日 20時