～ネコ日和～【永瀬廉】２ (ページ47)

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特別編ページ47

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「家には上がらない？」

永瀬『んふふ…帰れんくなる。やめて。』

「…ふふふ、そうだね。」

ゆっくりと身体を離され、

お互いに見つめ合う。

「もう行く？」

永瀬『…そろそろ。』

「…そっか。」

私は廉の服の裾を掴む。

行かないで、なんて言えないから。

でも、

ギュッとされて終わりはいくら私でも…

「…キスも、」

永瀬『……。』

「…ダメ？」

私は下を向いて、

溢れそうな涙をグッと押し込む。

永瀬『ふふ、それ以上したなるやろ。』

「………。」

ダメ。

今泣いたら廉が困るじゃない。

出たらダメ。

…ダメ

そう思えば思うほど

みるみる内に涙で視界が歪み始める。

「…嘘、冗談。」

どうか気付かれないように、

「…じゃあ、頑張っ」

永瀬『A。』

「……早く行って」

永瀬『こっち向いて』

「…やだ」

早く行ってよ、廉。

お願い…早く

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すると、

廉に優しく顎を持ち上げられて、

永瀬『……』

「……泣いてないよ、これは。」

大きく切れ長な瞳が

しっかりと私の泣き顔を捉える。

「…見ないで、早く行っ………」

そして私の言葉を塞ぐように、

柔らかい唇と重なった。

廉の手が、そのまま私の後頭部に移動して

ゆっくりと深くなり始めるキス。

目を閉じると

一筋の涙がこぼれ落ち

私はまた廉の身体に腕を巻きつけた。

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長い間、重ねられた唇は

廉の方から少し離れる。

永瀬『…寂しいなら、寂しいって言うて』

「…言わない」

永瀬『じゃあなんで泣くん。』

「…だって、」

永瀬『俺は寂し過ぎて死ぬかと思ったけどな。』

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……。

驚いた顔で廉の顔を見上げると

少し恥ずかしそうに笑う。

永瀬『なに』

「廉も、寂しかったの？」

永瀬『当たり前やろ。』

てっきり忙し過ぎて

私の事なんて考える暇も無いと…

永瀬『だから死ぬ前に会いに来た。』

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「……」

永瀬『笑うな』

「…ふふ、だって。」

永瀬『……。』

廉の素直な気持ちが伝わり

目に涙を浮かべながらも自然と笑みが溢れた。

永瀬『ほら…やっぱ無理やん』

「え？」

廉は私の涙を指ですくい

.

永瀬『これ以上したなる言うたやろ』

少しだけ素直になる

そんな夜もたまには＿＿

- end -