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永瀬『…もう行かな。』
「…そうだね。」
永瀬『連絡するわ。』
「…うん。」
そう言いながらも
キツく抱き寄せられて。
永瀬『今日家来る?』
「…え?」
永瀬『てか来てや。』
「……どうやって?」
永瀬『タクシー向かわせるから、
自分の家で待ってて。』
分かった。
と小さく頷くと、廉は嬉しそうに笑い、
また軽いキスを落として、
永瀬『じゃあ、この続きは後で。』
「…馬鹿。」
永瀬『んふふふ、また後でな。』
「…うん…頑張ってね。」
永瀬『…ん。』
廉は何度もこちらに振り返りながら
タクシーを広い去って行った。
.
私は、廉が去って行った後を見送りながら
「…あ、今日女の子の日だって言うの忘れてた」
と、こんな独り言を呟いて。
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.
私達はようやく
二人の関係に名前をつける事ができた。
廉は芸能人
私はただの花屋の店員
全く違った世界だけど
目標に向かって頑張る姿は誰も同じで。
辛い時は逃げたっていい。
また、戻ればいい。
ゆっくり休んだっていい。
しばしのお暇も時には必要だ。
無理と諦めなければいい。
立ち止まりながらも
前を向いてまた歩いていけばいい。
.
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それに私は、もう一人じゃ無い。
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.
「…凄いところに住んでるね、廉。」
永瀬『んふふ、俺の家にAおんの違和感やわ。』
「…ぅわ、…これ大理石?」
永瀬『ちゃうわ。普通の床よ。』
「てか、……24階って…すご」
騒がしい私を
ギュッと後ろから抱き締める廉。
永瀬『…もうええやん。』
「…ふふふ。」
私も後ろに振り返り、
廉を見上げる。
永瀬『…まだ夢見てる気分やわ、俺。』
「私も。」
永瀬『な。』
二人で向き合いながら照れ笑いをして、
引き寄せられるように、自然と唇を重ねる。
永瀬『……』
「……」
それを何度も繰り返し、
どんどん深くなっていく廉を、私は止める。
「…へへ。」
永瀬『…え、なに。』
「…ダメだよ、これ以上。」
廉はすぐに察したのか
永瀬『…嘘やろ。』
「ふふふ。今日は我慢して?」
永瀬『……まぁ』
.
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“もう一緒におれるだけで充分やわ俺。”
.
廉が隣に居る。
これからも、ずっと__
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月19日 1時