～ネコ日和～【永瀬廉】２ (ページ28)

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ren side…

『いやいやいやいや、話の方向性が分からん。

え、…どゆこと？…紫耀今、付き合えって言った？』

“言ったよ？”

といつもの、すっとボケた顔をした紫耀。

いや、だから

それが出来ひんから俺は悩んでんのよ。

『…アホか。』

紫耀『なんで？』

『んふふ…なんで？じゃないのよ。分かるやろ。』

でた、紫耀のなんで。

話の展開が意外すぎて笑ってもうたわ。

紫耀『じゃあさー…』

『なに。』

紫耀『Aちゃんと付き合ってもいい？』

『どゆこと？だれが？』

紫耀『俺が』

『は？殺すぞ。』

紫耀『ブハハハッ…こーーわっ！』

なんで俺すっ飛ばしてお前がいくねん。

アホか。

.

紫耀『廉も、アイドルの前に一人の人間でしょ？』

『そうやな。』

紫耀『人に与えてばっかじゃなくてさ。
もういいじゃん。恋したって、別によくない？』

『……。』

そんな事、何回も考えたよ俺だって。

もちろんファンの事は大事やし

俺という人格が出来たのもこの事務所のお陰やから

裏切ることは今後も100%ない。

でも、普通の恋愛はしてもええかな。

とかさ、悪いことしてる訳ちゃうしとか。

めちゃくちゃ考えたけど。

『…バレた時に、俺もメンバーもそうやけど、

世間からいろいろ言われんのはAもやろ。』

.

ましてや

これから東京で頑張ろうとしてるAに

更に追い討ち掛けるような事は出来ひんわ。

.

紫耀『廉、言っていい？』

『なんや。』

.

すると紫耀は

嫌味っぽく笑いながら、

.

.

紫耀『廉、ダッセェーーー…』

『………っ！！』

紫耀『ブッ…ハハハハハッ！！』

.

紫耀に言われんのめっちゃ腹立つ。

俺は分かりやすく眉間に皺を寄せて

睨みつけた。

紫耀『廉が守れよ、そこは。

それだけ好きなら、俺だったら全力で守るよ？

好きな子が嫌な思いをする前に駆けつけるし。』

“廉はそれが出来ないのかぁー、ダセェーー”

と、無駄に大きい声で俺を煽ってきた。

.

『紫耀ほんま、』

紫耀『それに廉の事は、俺たちが全力で守るよ。』

『……。』

.