～ネコ日和～【永瀬廉】２ (ページ26)

今日:7 hit、昨日:19 hit、合計:566,404 hit

76 Ren side ページ26

ren side…

なるほどな。

『あー。…マネージャーから聞いたん？』

紫耀『秘密。』

『………。』

俺は、深く被ってたキャップを取り

『ごめん。』

と、それは素直に謝った。

仕事やからな。

何があっても、やり通さないとあかん所を

俺は拒否したというか、…出来ひんかったというか。

紫耀『別に怒ってる訳じゃなくて、ほら廉って、

与えられた仕事は何であろうと最後までやりきる人

だと俺は思ってたから、単純に疑問でさ。

なんか、理由あんの？断った理由。』

断った理由。

それは、

『いや、この間は普通に体調悪かっただけよ。

俺の体調管理の甘さが原因。ごめん気をつけるわ。』

俺は紫耀から目線を外して

適当に出てくる嘘を言葉にする。

断った理由は、言われへんわ。

誰にも言いたないし、言えるような理由じゃ

.

紫耀『Aちゃん。』

.

.

.

.

紫耀『Aちゃんでしょ。原因。』

.

.

.

不意に出てきたその名前に、

俺は分かりやすく目を見開き、動揺する。

.

え、…なんで紫耀がAの事知ってん

紫耀『この間、Aちゃんに会って来た。

ごめん、コソコソ嗅ぎ回るような事して。』

.

俺はあまりの衝撃で

みぞおちを殴られた時のように声を失った。

.

紫耀『廉が戻ってきてからも、

なーんか様子がおかしかったからさ。

聞いても廉は答えてくれなさそうだし、

休止期間中に何かあったのかと思って。ごめん。』

.

…は？

紫耀、マジでないわ。

ありえへん。

『俺帰るわ』

紫耀『…ちょ、待てって』

『勝手な事すんなよ！』

紫耀に腕を掴まれ、

俺はそれを思い切り振り払う。

『そんな事して何になるん？

俺が何をしてようが紫耀には関係ないやん！』

いつぶりやろ。

こんなに怒りを人にぶつけんの。

『ありえへんわ。ガチで萎えた。ほんま腹立つ。』

俺の様子がおかしい理由が

例えばAやとするやん。

じゃあ、なに？

どうしてくれんの？

なにが変わるん？

誰か解決してくれんの？

.

.

『…なんも変わらんやろ。』

.