52 Ren side ページ2
ren side…
俺の腕の中に包まって
横になるAは、まだ少し呼吸が浅い様子。
脚も腕も素肌のまま絡まり合って
熱くなった身体を共有し合う特別な時間。
「…これ、…高そう。」
『…ん？』
Aは、
俺のネックレスを指で触れながら
珍しそうな顔をして見る。
『…さぁ、どうやろな』
「自分で買ったの？」
『………』
なになに。
終わってからもこんなサプライズあんの？
俺、そんなん舞い上がるで？ええの？
弱々しく吐かれたAの小さな嫉妬に
俺のドS心が勝手に発動する。
『なんでそんなん聞くん。』
「…別に聞いただけ。」
『気になる？』
「……気にならない。」
『んふふふ…そこは気になるでええやろ。』
また素直になれなくなったAの額に
優しくキスをしてから、
『自分で買ったよ。』
「……。」
と、正直に答える。
すると、
.
＿＿ふふっ、良かった。
と、Aは
恥ずかしそうに笑いながら言う。
.
心臓がもぎ取れるか思た。
何種類、表情持ち合わせてんの。
先言うといて。
心臓に悪いからマジで。
俺はAの髪に指を通して
そのまま後頭部を支える。
.
『なぁ。』
「…ん？」
今度は
Aの唇に優しく触れる程度のキスをする。
『さっき秒で終わってもうたな。』
「ふふ、…誰かさんのせいで？」
『フハハッ、…うっさい。』
そして、もう一度キスを挟み、
.
.
『だから、俺はまだいけんねんけど。』
「……。」
『もう一回するとか、どお？』
「……。」
.
.
意外にもすぐにコクッと頷くA。
それを最後に確認してから
俺は再びAの唇に熱を加える。
.
.
この時間が、一生続けばいいと思った。
誰にも邪魔される事なく
2人だけの世界をこれからもずっと
味わっていたいと願った。
.
世間からどう思われたっていい
俺の戻るべき場所なんてどうでもいいと。
.
『…今からずるい事言っていい？……』
「……っ……ん？………」
ごめん。
A、ごめんな。
.
.
.
.
.
.
＿＿めっちゃ好きやわ
.
.
誰にも取られたくないと、
心の底から思った。
.
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月19日 1時
