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永瀬『………』
「………」
そっと唇を離すと、
驚くでも笑うでも無く
じっと黙ったまま私を見ている。
瞬き一つせず、
何を考えているのか全然分からない。
でも、そんな表情の読めない廉にも
私はお構いなくもう一度、自分のを重ねた。
拒まれる事はないけど
大人しく私にキスをされるがままの廉に
私はどんどん仕掛けていく。
ゆっくりと冷たい廉の柔らかい唇を
食べるようなキスに変えて。
そうすると、
私の背中には手が添えられて
徐々にスイッチが入り始める廉。
解けてきた廉の口の中に
舌をしっかり絡めていくと
私の腰や後頭部を廉に固定されて
ついに、身動きが出来なくなった。
お互いの唾液が混ざり合い
キスの間から溢れ出る白い吐息が
二人を包んでいく。
一瞬の隙間に
私は廉の名前を呼んでみた。
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「…ん」
でも、なかなか話す暇を与えてくれない。
薄く目を開けて見てみると、
さっきまで冷静だった廉の表情は、
今はもう余裕なんて一切無い。
「……れん…」
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廉の胸を叩くも
止まらない強引なキスが続く。
「…れん……ってば…」
でも、さすがに。
ここは雪の上だし、外だし、寒すぎるし
…ってぇえ！？
私は、
バサッとまた雪の上に
廉の手によって押し倒された。
「……ちょ……っ！……れ…」
上からどんどん舌をねじ込まれて
息苦しい。
今度は少し強めに廉の胸を叩いた。
永瀬『なに？』
「…ハァ…っハァ……廉、苦しいよ…」
永瀬『それだけ？』
「…え？…ちょ……っ！……」
たった5秒くらいの会話で
すぐにまた唇は塞がれる。
何度も違う角度で、何度も、何度も。
すると、
……っえ…うそでしょ？
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私が着ているウェアのファスナーを下ろされて
沢山着込んだ服の中に、
廉の手が力任せに入ってきて
「……っ！！……やだ、…れっ…れんっってば！」
私は廉を力強くで突き飛ばした。
「……。」
永瀬『……。』
.
.
尻もちをついて座る廉は
下を向いたまま。
「…廉」
永瀬『だから言うたやろ。』
「…え？」
廉の前髪で隠れた瞳は影を作り、
.
永瀬『顔見るだけで無理。もう余裕ない。』
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月15日 10時
