29 Ren side ページ29
ren side…
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『…はぁーあ。』
居間に敷かれた布団の上で
仰向けになって溜息をつく。
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__前に同棲していた彼に、言われた事あるの。
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彼氏くらいおったわな。
そら男も、あんな子ほっとかへんわ。
分かってんねんけど。
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これは、ダメージでかい。
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“彼氏と同棲”
これを耳にした時、ピクッと反応してもうて、
でも顔には出さんように我慢した。
妬いたところでやねんけど。
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あー…あかん
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『……ぜんっぜん、…寝られへん…』
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この村に来てから、
俺の体調はすこぶる良かった。
テレビも無いし
ゲームも携帯すらも一切触らんから、
寝付きも、だいぶ良好よ。
アラーム無くても朝5時に目覚めんねん。
バランスの取れた食事
朝から夕方まで太陽の下で身体動かして
早く寝て、早く起きて。
物に溢れた生活をしていた俺は
修行みたいな暮らしに聞こえるかもしらんけど
物がなくても満たされるし、
一日一日が丁寧な生活って感じ。
あとは、
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“れん!!”
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一人で生きようと頑張ってる姿に、
俺はすぐに惹かれた。
あとぉ、可愛いし。
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『…A、…寝たかな。』
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でも、今日は珍しく寝付きが悪かった。
2階で寝てるAの顔が、
どうしても見たくなってまう事って、あるやん。
俺はゆっくり起き上がって、
Aが寝ている2階までの階段に向かう。
ちょっと顔見るだけ。
『……。』
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でも、
階段の前で一度立ち止まり、
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『いや、チューしてまうな。これ。』
寝姿を想像しただけで、
まぁこんなもんよ。
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急に自信を無くした俺は
やっぱり引き戻した。
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外の空気、吸ってこよ。
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このまま布団に戻っても絶対寝られへんし。
俺は夜の散歩がてらに、外へ出た。
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月15日 10時