～ネコ日和～【永瀬廉】 (ページ1)

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「…ふっふ～♫…」

私は都会の街に、

馴染めなかった。

「…へい…へい…へへへっへい♫…」

言葉も、中身も、感情も

「…ん～ふふふぅ～♫…」

全部合わなくて。

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「…よっし…出来た。」

煮沸消毒した瓶に

湯むきしたトマトをいくつも入れる。

赤や黄色の色鮮やかなトマトが入った瓶は

いつ見ても、ため息が出るほどの美しさ。

私は額に吹き出した汗を

Tシャツの袖で雑に拭いた後、

「…これを冷やせば、…完成っと。」

パンパンに詰まった小さな冷蔵庫に

その輝かしい小瓶を閉まう。

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馴染めなかった東京。

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私が生まれたこの村は、

スーパーもコンビニも無い

大自然に囲まれた小さな集落で、

その中心にポツンと建っている

これまた小さなお家に、

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生きる力を取り戻す為に、

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逃げるように、帰ってきた＿＿

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