103 kaito side ページ10
kaito side…
「ねぇ、海人。変な質問してい？」
『どうぞどうぞ。』
優雅な昼休み。
俺は食堂でカフェオレをストローでぐびっと吸い込む
「…“セ ックス”ってした事ある？」
『ブホッ！……ゴホッゴホッ……』
.
.
「あ、大丈夫？」
『は、…急になに！？…ゴホッ、ゴホッ…』
あっぶねぇー
カフェオレぶち撒けそうになった。
ちょ、なになに…すげぇ直球で聞いてくるじゃん。
『…やめて？笑 オブラートに包んで』
「ご、ごめん。…」
『なに。悩んでんの？』
「…ん〜、悩んでるっていうか…」
これ以上のことは正直、あまり聞きたくない。
幼馴染のお下事情なんて耳を塞ぎたいもん。
廉のあれこれを聞かされるんでしょ？
なに、夜が激しくてとか？
それとも逆に素っ気ない的な？雑だ、的な？
えぇ、…やだぁ〜
これ、聞かなきゃダメ？
「…まだ、実は…そのぉー。…してなくて」
『してない？』
「…はい。…してない。」
『…え？…え、…ぇーっと。……』
.
ん？待って、待って。
.
『え、付き合ってもう2ヶ月近く経つよね？』
「うん。」
『同じ部屋で寝てんだよね？…』
「…うん。」
なんと…。
これは、知らなかった事実。
『それは俺、…なんで？って聞いていいの？笑』
「……うん。聞いて。」
『…なんで？笑』
廉、付き合う前から結構我慢していたと思うよ？
Aの話をしながら、ずっとニヤニヤしていたし
たまに変な事言い出すし、相当抑えていたはず。
するとAは、モジモジしながらこう言った。
「…それ以上に進む事が、…怖くて」
『……』
女の子の気持ちは俺よく分からないけど
そういうものなのかな。
構えてしまうのもなのか。
自然に身を任せちゃえばいいのにって、
俺は思っちゃうけど。
と、真面目な思考でちゃんと考えていた俺。
下ネタとかじゃなくてね？
それなのにさぁー、Aはこんな事を言い出すの。
.
「実は、そのぉ。お勉強をしてみようと思って…」
『うん？…お勉強。』
「そう。色々、調べてみたんだけど。これ、見て」
『……』
真っ昼間。優雅なカフェオレが、
一気にどんよりとした空気に混じる。
なんか…いやな予感。
.
パッと見せられた携帯に
“ 性の基礎知識 ”
ねぇ、ほんとやめて…
.
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月22日 9時
