100 ren side ページ7
ren side…
下を向くA。
頬はほんのり赤くて、手は冷たい。
立派な家が立ち並ぶ住宅街
きっと歩くだけでも、
気品を保たないといけないこの場所で
俺は衝動的にAを抱きしめた。
嫌われていなかった事にひとまず安心する。
でも、なかなか空回りもしていた事に気づいて
ちょっと反省した。
余裕が無いのは、正直なところ俺も。
＿＿俺と付き合って
自分のものになった途端、
Aの一つ一つの行動が気になった。
授業中も、休み時間も、部活ん時も、
なるべく肌身離さず側に置いときたくて
過剰な程にスキンシップを取った。
でも、Aの反応はイマイチやし
やり過ぎた感は否めないし
なんなら昨日の晩も、…ギリギリやったというか。
「…永瀬、…人が通るよ？…」
永瀬『……あと、…もうちょいだけ。』
「……」
だって、こんなん初めてやねんもん。
抑え方がマジで。…ごめん全然分からんわ。
「……ふふ」
永瀬『なに……』
「……ううん。……」
永瀬『言えよ。…』
「言ったら永瀬怒るよ？」
永瀬『怒らんよ。今は、…多分。笑』
.
永瀬、なんか可愛いね＿＿
.
.
ごめん、ちょっと今から
無駄な絵面をお見せする事になるかもしらんけど、
ごめん。先謝る。
いくよ？
言っちゃうよ？
.
.
.
.
永瀬『…お前の方が可愛いよ』
.
.
.
さぶっ…
めちゃくちゃ寒い事言うやん俺。
あーー、…今俺
どんな顔してんねやろ。
きっしょい顔してんやろなぁ〜
永瀬『…余裕ないとか嘘やろ、お前。』
「嘘じゃないもん。…」
永瀬『……んふふ……本間かわいい』
「……」
.
周りの視線も気にならない。
2人だけの世界。
永瀬『…ほな、帰りますか。』
「ふふ、…うん。」
永瀬『今日はー、……一緒に寝てみる？』
「……んーー、」
永瀬『マジでなんもせぇへんから。誓う誓う』
まだまだこいつの知らない所を
俺の教えてない部分を
これからお互いに伝え合って
いずれ一つになれたらいいなと思う。
その間は、多分不安やろうけど、
緊張で冷たくなったこの小さな手を、
俺は絶対に離さんし、離れないでほしい。
＿＿廉、お前高校を出たらイギリスに留学しろ
例え、何があっても絶対に。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1671人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月22日 9時
