～恋するオタク～【永瀬廉】３ (ページ6)

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髙橋『ばいばーーい』

「バイバイ、また明日！」

部活を終えて、海人とお別れをする。

バイバイと振っていた私の手は、

横にいた永瀬にパッと掴まれて

「っ！……」

永瀬『なによ。』

「…や、…」

あっという間に指を絡め取られる。

永瀬『嫌？』

「…ううん。…ちょっと驚いただけ。笑」

永瀬『んふ、…いちいちややこしい反応すんな。笑』

だって慣れてないんだもん。…こういうの。

未だに、永瀬が彼氏だって事も実感ないし

付き合うって、…何をするのかも全然。

手を繋いで歩く帰り道。

こないだ俺さぁ、と楽しげに話す永瀬は

こういう事も沢山経験してきたんだろうか。

はぁ、さっきから私

めんどくさいなー。

永瀬『おい。』

「へ！？」

永瀬『え、聞いてへんかったん！？』

「あーー…、ごめん」

永瀬『……』

私今、凄い嫌な感じだよね。

付き合ってまだ1日も経っていないのに

余計な事をぐるぐる考えちゃって。

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永瀬は私の手を握ったまま、

歩くのをやめた。

そのままじーっと顔を覗き込まれて

私もつい、目をそらす。

次に永瀬は、こんな事を唐突に言う。

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永瀬『チューしていい？』

「……え"！？」

我ながら可愛くない反応をしてしまう。

するととうとう、

永瀬はため息を吐いた。

呆れられた。きっとつまらないって思われた。

違うんだよ、永瀬…

私も、こんな風にしたいわけじゃ

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永瀬『俺、嫌われた？もしかして。』

「……」

永瀬『すでにもう後悔してるとか？』

オレンジ色の空がゆっくりと沈む。

彫刻作品のように美しい永瀬の顔は

悲しい影を作り、より一層儚い。

私の手を離す。

下を向いて、永瀬の瞳が前髪に消える。

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私はゆっくりと前に足を踏み出す。

永瀬のすぐ目の前に立ち、

少しだけ背伸びして、

永瀬『っ！……』

ぎこちないキスをした。

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でも、

やっぱり恥ずかしいから下を向いて

今度は私から永瀬の手を握る。

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「…楽しいって、思える余裕がまだ無い。」

永瀬『……』

「…永瀬と、こうしてるだけで…胸がいっぱいなの」

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永瀬が好きだから、

と最後に付け加えて言った。

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