111 ページ18
.
帰宅後、私はまずお風呂に入った。
いつもの寝巻きを袖に通して、
若干ソワソワしながら廊下を歩く。
.
ノックをする。
永瀬『…んふふ、…髪ちゃんと乾かしてから来いよ』
「…あ、ごめん」
永瀬『どうぞ』
永瀬の部屋に入り、
私はとりあえずソファに腰掛けた。
するとすぐに永瀬は、
私と密着して隣に座る。
じっと見られる横からの視線に
何故か、夏なのに手がかじかんだ。
緊張して、どこを見ていいのか分からない。
永瀬『…緊張してんな笑』
「…だ、だって」
永瀬『手、握る？』
永瀬の大きな手のひらに重ねると、
ギュッと優しく握られた。
「……」
永瀬『…冷たいなぁー、手。』
「なんでだろ。…なんか冷たくなっちゃう」
永瀬『お前冷え性？』
「んー、分かんない」
永瀬『俺も冷え性やねん、実は言うと。』
何気ない会話が止まらない。
どうでもいい話で、
永瀬はこの雰囲気を和ませようとする。
永瀬『冬一緒に寝られへんやん、俺ら』
「え？なんで」
永瀬『冷たい同士で寝んの嫌やもん。』
「……」
永瀬『んははっ、冗談やから。拗ねんといて』
頬をぷにぷにされて
永瀬『一緒に寝たいん、俺と』
「…一緒に寝たい。」
永瀬『くっついて？』
「…ん。…くっついて。」
そのまま頬を撫でられて
永瀬『チューとかもして？…』
「……うん。」
.
永瀬『……こんな風に？…』
.
永瀬の声の色が変わった途端、
ねっとりとしたキスが始まった。
チュッチュと重なる音を立てて
徐々に舌を絡め合う。
身体がどんどんこちらに詰められて、
自然と大きなソファに倒れ込む私。
ゆっくり、じっくり、
お互いの唇の形を、舌を味わっていく。
永瀬『……っ、…触っていい？』
「……ん、……」
軽く頷くと、
私のお腹から手を忍ばせて胸元を覆う。
ふっくらと持ち上げられて、ビクッとする。
「…っん、…」
永瀬『怖い？…』
「…ううん。……大丈夫」
永瀬『…言うてな？怖かったら。』
「うん。……っ、…」
.
怖さなんて、もうとっくに無かった。
そんな事よりも、不思議な感覚に戸惑っていた。
永瀬『……んふ、…ええよ、声出して。』
「……っ、」
触れられる場所全てが、なんか気持ち良いの。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1672人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月22日 9時
