109 ren side ページ16
ren side…
Aのグーの形にした手を
俺はそっと握り、下に置く。
何見せられんか思ったけど。
「永瀬が嫌いとかじゃなくてね、…私はその、」
あー、もう本間に可愛い。
何この生き物。
そうよな。物理的に怖いって話よな。
「初めてだから、…凄い痛みが」
『ふふ、分かったて。笑』
「だって…あんなに大きなっ」
『セイッ！！黙れ！』
分かった、
分かったからもうそろそろ黙ろかAさん。
ほんで、あんな大きなってお前
何を見て学んどんねん。
.
『それは、…安心して欲しいというか』
「……」
『そこは、俺に委ねてくれへん？』
「……永瀬に？」
『…ん。…めっちゃ優しくする。』
「………優しく。……」
『……うん。』
多分、またアレコレを想像して
斜め上を見上げる彼女。
だから何を誰で想像してんの、それ。
チラッと、Aの髪飾りが揺れる。
そのまま視線を下に下ろすと
薄いメイクで施された艶のある瞳や唇。
少し乱れた浴衣の襟元、
屈んだら見えそうな彼女の膨らみに
つい手を伸ばしそうになる。
誰もまだ手を付けていない真っ新な身体。
大事にしたいし、大切にしたいのに
結局情けない感じになった。
なんか勢いで服脱いでもーてるし俺。
「……永瀬に委ねる。」
『…うん。…俺に全部任せてくれたらいいから』
「……はい。」
『いい？…』
「今？」
『…今。』
「それはダメ」
『は。』
両手で何故か突き放される俺。
え？今そういう流れじゃなかった？
「…だって今から花火見に行くじゃん」
『それは、事を済ましてからで』
「やだ。」
『……なん』
「…ゆっくり、優しく、時間をかけてされたいの。」
.
ユックリ、ヤサシク、ジカンヲカケテ、サレタイノ
『……』
.
これも、一体どこで学んだんでしょーか。
僕の彼女さんは。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1672人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月22日 9時
