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永瀬は無表情で、
イライラすると言った。
「は?」
永瀬『だからイライラするっつってんの』
「…なによ急に」
唐突に永瀬はまた不機嫌
かと思えばその後すぐに変な笑い方をする。
永瀬『ちょっと声かけられたからって調子乗んな。
で、まんまと好きになりましたって?笑
誰でもええんか。結局そいつが亮太でも亮介でも
亮平でも簡単に惚れんねやろ?ただの淫乱やんけ。』
ピキッと私のこめかみが切れ始める。
「…なんで永瀬にそんなこと」
永瀬『あとさ、恋愛偏差値クッソ低いくせに上から恋愛語らんといてくれる?お前から学ぶもんなんて一個も無いのよ。なにが息苦しいけど甘い、じゃ。
笑わせんなよマジで。笑』
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あー。そーだった。
永瀬ってそういえばこういう奴だった。
最近やけに大人しいから、忘れていたよ。
デリカシーないし
言葉選びも最悪最低。
人の気も知らないで、ズカズカと。
もういい。
私も貴方から学ぶものなんてありません。
「分かった。もう上から語らないね。」
永瀬『……』
「永瀬には亮太君の事も話さない。これでいい?」
私ももう話したくないし
なんなら顔も見たくない。
イライラするのはこっちの方。
私は呆れるように永瀬から背を向け
適当にバイバイとだけ言って歩き始めた。
永瀬『……のは嘘か…』
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すると背中越しに聞こえた、脆い声。
「え?…」
永瀬『……俺の側におるってやつ』
「……」
永瀬『あれ嘘?…』
眉を下げて、不安そうに
今まで見た事の無い顔をする永瀬。
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「…それは」
永瀬『ええわもう。…』
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永瀬『お前の顔なんかもう見たない』
それだけ言うと永瀬は
私の横を過ぎ去って行った。
散々な事、言われたのは私の方だよ?
__俺の側におるってやつ、あれ嘘?
なのになんで、
永瀬が傷付いた顔するの?
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作者名:ayu | 作成日時:2021年2月10日 0時