68 ページ22
.
.
未だドキついた胸をなんとか落ち着かせ
私はベットから体を起こす。
すると永瀬は、
何やら複雑そうな表情をして
私の座るベットの端に腰かけた。
「…ん?どうしたの?」
永瀬『…や、』
「…?」
セットされていない髪を
クシャッと雑に触りながら永瀬は
顔を下に向けて、唐突に言う。
永瀬『平気なん、もぉ。』
.
主語も全くないそれに、
私は眠たい目を擦り、ハテナを浮かべた。
「…ん?」
永瀬『…分かるやろ。…あれ。…あいつやん。』
「…あいつ、」
永瀬『亮太』
__なに一丁前に拒否ってんだよ。マジうぜぇー…
今でも鮮明に蘇るあの記憶。
触られる感触も、乱暴なキスも
考えるだけで嫌悪感しかない。
平気かと聞かれたら、平気じゃない。
でも今も辛いかと聞かれたら、それも違う。
「…んー。どうだろうね。分かんない」
永瀬『……』
「でも、もう恋愛はしたくないとか、
そういうのは無いかも。次はちゃんと心から
好きだと思える人に巡り会えたらなぁって思う。」
永瀬『…ふーん』
わざわざそれだけ聞きに来たのか。
心配してくれたのか。
なんて聞くとどうせ、違うって言われるんだろうな。
.
「……ねぇ、この後4時起きでしょ?笑」
永瀬『うん。』
「そろそろ寝ないと、起きれないよ?」
永瀬『うん。』
「……」
永瀬『……』
薄暗い部屋の中
永瀬は顔を上げてこっちを見た。
少しだけ離れていた距離を永瀬は自ら狭くして
私の膝に永瀬の脚が触れる。
「…っ、ちょ近」
永瀬『……』
あまりの近さに
私は思わず身体を仰け反る。
それでも離れようとしない永瀬の胸に両手をついて
.
.
.
.
永瀬『一緒に寝よっか』
.
.
1427人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ayu | 作成日時:2021年2月10日 0時