10 ページ10
.
「えぇええええええ！！！！」
職員室に私の声が大きく響き渡る。
.
「…そ、そんなぁー」
「1ヶ月で部員は5名と言っただろ」
「…いや、それはそうなんですが…その」
「結局まだお前だけじゃないか」
先生の言う通り、
1ヶ月で部員集めは出来なかった。
と言いますかいろいろあって、
…それどころじゃなかったと言いますか。
「約束は約束だ。この部活は今日で廃」
「嫌です！先生お願いです！せ、せめて…あと」
「だーめだ」
「あと、1ヶ月！！1ヶ月下さい！…
私にとってKC倶楽部 in happy(オタク研究部)は、」
「なんだお前その名前…」
「え、あ、…ハハ。最近、方向転換を…笑」
せっかく私が作った部活動。
って言っても部員は私だけだけど、
これといった活動も今のところは全然だけど、
でも＿＿
「…とにかく…お願いします、先生。」
「…あのなぁ」
「……1ヶ月で集められなければ、…諦めますから」
私はまるで祈るように頭を下げた。
すると頭の上から深い溜息が降ってくる。
そして
「……ほんとだな？」
「え？」
「あと1ヶ月で集められなければ廃部だ。いいな？」
「……あ、…は、はい！！」
.
ありがとうございますっ！！！！
と、再び直角にお辞儀を済ませて私は
職員室を出るとひとまずガッツポーズ。
.
残り1ヶ月
どうにかして部員を集めなければ廃部。
せっかく親交を深める最大のきっかけも、全て失う…
「………」
がしかし、今の私には
永瀬『ぁははははははははっ！！なんでやねん！』
あの悪魔の障壁で呪われ中。
クラスの人々は、私を露骨に避けるようになった。
部員集めどころか、そもそも人が寄り付かない。
これは厄介だ。
大口を開けて笑う彼の姿が憎たらしい。
.
「………っふふ」
でも、
実は正直そこまで挫けていない。
なぜならば＿＿
.
.
.
「よっしゃああああああああ！！！！
岸優太様…ありがとうございます！…夢みたい…
本当に本当に本当に。…はぁ〜ー…幸せ…」
.
あの親愛なる岸優太様のライブに
来月行ける事が決定致しました。拍手。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2021年1月31日 1時
