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「……絶対ついて来ないで下さいね？」
永瀬『分かったから早よ行け』
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次の日、私は初めて部活を抜け出し
下駄箱に入っていた手紙を持ったまま
言われた通り、体育倉庫へと向かった。
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重たく頑丈な扉をガラガラと開けて
まだ人影がない様子だった倉庫に
私は足を踏み入れる。
“ずっと好きでした”
「……。」
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こんなの、今まで一度も言われた事ない。
友達ですら作る事に苦戦している私が
恋愛なんて遥か遠い世界だ。
「…好きでした……か、…ふふっ……」
多分、相手が誰であろうと
こういうメッセージは心が温まる。
どんな人であろうと、胸はときめく。
「……ちょっと早く着きすぎたかな…」
私は、完全に浮かれていた。
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すると、
『あなたのことが、好きでした』
「えっ！？」
『……』
パッと後ろに振り返ると、そこには
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「…は？」
永瀬『ダハハハハーーッ！！！！』
「は？」
永瀬『ハハハッ、一瞬山田かと思ったやろ！？笑』
「……」
ヒッヒッとお腹を抱えて笑う永瀬くん。
「…なにしに来たのよ」
永瀬『なにって興味本位よ。』
「……」
永瀬『お前を好きになる男がどんな奴なんか。笑』
だらだらとこちらに歩いて来ては
マットの隅へと隠れ始めた
デリカシーゼロの男。
「出て行って」
永瀬『いやや。見たいもん』
「出て行け！」
永瀬『イヤやって』
「永瀬ぇぇええええ！！！！」
最悪だ。
こいつはやっぱり根が腐っている。
無理矢理腕を引っ張るも、
永瀬くんの腰はなかなか重たく立ち上がらない。
くっそぉー…
本当ありえない…と、
永瀬くんを鋭く睨みつけていた、
その時
ガチャガチャ
「…！？」
永瀬『……？』
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ガシャン……ガチャガチャ＿＿
重たく頑丈な倉庫の扉が、
何故か勝手に閉まった。
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え？
永瀬『……』
「……」
永瀬『なに、なんで閉まったん？』
永瀬くんは不思議な顔をしてパッと立ち上がり
そして扉に手をかけるも、
永瀬『なぁ、開かへんねんけど』
「……」
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uh oh……
これは、油断した……
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年1月31日 1時
