～恋するオタク～【永瀬廉】 (ページ27)

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kaito side…

Aっちの不満は鳴り止まない。

もうそれはそれは、

廉が言い返す隙も与えない程に。

いやぁ～、なんか新鮮かも。

だって廉がどんどん不憫に見えてくるんだもん。

言い返したいけど、多分ちょっと反省もしてて

その狭間でどうしたらいいのか分からなくなった

いつもより肩幅が狭い廉の姿。面白い。

永瀬『…だから謝りに来』

「まだ話してるでしょ黙りなさい！貴方はね、＿＿」

永瀬『…も、まだあんのぉ～』

.

Aの反乱はこの後もまだまだ続いた。

なんだか廉も疲れちゃったみたいで

じーーっと瞼を閉じ、手を前にして

彼女が満足するまでをひたすらに待つ。

それに徹していた。

そして

.

「…はぁ、…はぁ……はぁ……」

永瀬『……』

髙橋『……』

ようやく落ち着いた。

.

.

「…だから、……はぁ、……もう帰って」

永瀬『分かった』

髙橋『……え、』

廉は両手をポケットに差し込み、下を向く。

ここまで言われちゃー、

さすがにもう何も言えないか。

なんだか呆気ない。

これから何かが始まりそうだと密かに期待していた。

廉とAのチグハグなストーリー

楽しそうだと久々にワクワクしていたのに。

…なんだかなぁ。

廉は一歩前に足を踏み出し

Aと距離を縮めて最後にこんな一言。

.

永瀬『………仕方ない』

「……」

永瀬『残念やけど、…諦めるわ…』

「……はい。」

永瀬『はぁー、…見せてやりたかったなぁーお前に』

「……？」

すると突然、廉のわざとらしい演出が始まる。

ゆっくり左手をポケットから出し

そしてなんだかよく分からない、ある物を持って

Aの顔の目の前でそれをチラつかせる廉。

「っ！！……そ、…そそそそ、それは…！」

永瀬『はぁーーー…残念、残念。』

「……っ、」

永瀬『KCサイトで注文が殺到しサーバー落ちもした
あの、“限定岸優太アクリルスタンド”！！
今じゃ有名フリマアプリでこのアクスタを売れば
なんと5万円相当にもなる価値しかないこれ！！
さすがに謝るだけじゃ申し訳ないと思って、
お前にこれを見せてやろうと持ってきて、しかも！
1週間、この部屋に飾ったってもええかなぁ～？？
とか、思ってたんやけど、…やっぱあかんか。…』

なにそれ

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