～恋するオタク～【永瀬廉】 (ページ24)

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24 kaito side ページ24

kaito side…

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重たい扉をガシャンと開ければ

青空の下でなにやら物想いに耽る男の姿。

学校の屋上は、

照り付ける日差しで肌がとてもジリジリする。

もともと地黒なのに、厄介だ。

『れーん』

永瀬『……っ！…なんや海人か。』

『ふふ、なにしてんの？』

『別に』と素っ気ない廉の横顔は

どこか、もの寂しさを感じる。

『もぅ8月も終わりだね』

永瀬『うん』

『今日、30日だね』

永瀬『うん』

『明日で廃部になっちゃうね』

永瀬『うん。……て、は？』

『ふふふ、』

柵に腕を乗せて、

廉はまた遠くを見つめる。

自分でややこしくしてるくせに、…まったく。

めんどくさい男だよ。

俺はポッケからあるものを取り出し

それを廉にわざと見せびらかす。

『へへ』

永瀬『…なんしてんのお前』

『入部届。後で提出しに行こうと思って』

永瀬『……』

『廉も行く？』

永瀬『行くわけないやろ』

『…勝手にすれば』なんて言って

ここから出て行こうとする廉。

まぁ、別にいいけど。

でも、これだけは言っておこうかな。

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『廉、ここ最近で1番楽しそうだったよ』

永瀬『……』

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廉は否定も肯定もせず

屋上を出て行った。

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入道雲がもくもくと沸き立つ

夏の匂いはまだ消えない

むしろ、ここから何かが始まりそうで

なんだが胸が、ザワザワと落ち着かない＿＿

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『……てか、…あっつ』

また焼けた。

はぁ…日焼け止め、塗ってくりゃ良かった。

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