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“ KC倶楽部 第6回 うちわ作り ”
「……いや、もうちょっと紫を足そうか」
相変わらず個人プレイが続く中、
私は呑気にワクワクしていた。
友達も出来ない
部活も廃部寸前
挙げ句の果てには悪魔に取り憑かれ
いろいろと全然上手くいかない毎日だけど
でも、別に不幸なんかじゃない。
「うん、良い感じ！！でーーきた！」
先ほど作った大きなうちわを天井に掲げて仰ぐ。
“岸優太”
私に唯一の楽しみを与えてくれた人。
真っ直ぐで、誠実で、正義感溢れる
私の最も憧れる夢みたいな存在。
＿＿早よ謝れブス
「まるで真逆だな。」
あんな奴の為に揺るぐ必要もない。
あんな奴の為に、泣いてたまるか。
ねじ曲がった性格のまま大人になって
いつか、後悔すればいい。
てか、…私そこまでブスじゃないし。
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双眼鏡入れた！うちわも入れた！
タオルもよし、ライブTシャツもよし！
靴は紫よし！紫のバンダナよし！ペンライトよし！
私は右膝を立てながら、
何度もリュックの中身を念入りにチェック。
そしてベットの上では、眠れない夜を過ごした。
瞼を閉じて、幾度となく夢を見た景色。
それが明日、実際にお目にかかれるだなんて…
「…ぅふふ、…ふふふふ、あーーーー！！」
早く、会いたい。
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そしてついに、ライブ当日。
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リュックの紐を握る手は汗ばむ。
緊張で喉がカラカラだ。
会場の前、人々が大勢集まる。
これ皆、優太様のファンって事だもんね。
やっぱり凄い。凄いよ。
人を寄せ付ける魅力がそれだけある。
素敵な世界だ。
スーーーッと息を飲み込む。
今日も8月の蒸し暑い灼熱地獄だ。
「……しゃ！！行くぞ」
もの凄い面構えをした私。
いざ、
出陣＿＿
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年1月31日 1時
