～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ42)

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正直、お預けくらったみたいな気分。

私は、早く早くと急ぐ気持ちで

「…なんですか。」

永瀬『お前は、俺の事どう思ってんの』

「…はい？」

それ、このタイミングで聞きます？

それ別に後でで良くない？

好きって言ったらどうするんですか？

急に冷たくなる？

やっぱりやめよ、ってなるの？

遊びならいいってか？

先輩も、なかなか

永瀬『俺はお前の事が好きやねんけど。』

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先輩もなかなか…

なかなか…

……。

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「えぇ！！？」

永瀬『…っるさ…だから声でかいねん…お前。』

「え！…え、だって今…」

私の声に

先輩の顔が一気に怪訝そうな表情に変わる。

永瀬『なに。』

「……今、先輩…私の事が好きって」

永瀬『言うたよ。』

うそ…

え、…そっち？

まさかのパターンに、

私は口をパクパクさせたまま

固まってしまった。

永瀬『お前は、どうなん。』

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思考がうまく回らない。

でも、

先輩が不安そうな顔をしている

って事だけは分かる。

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「…私は、…好きですよ？」

永瀬『合わせたやろ、俺に。』

「…ち、違います。本当です。」

永瀬『……。』

私は、そんな先輩の様子に

ようやく頭の中が整理されていく。

本当に私が好きなんだと、

痛い程に伝わる先輩の想い。

「…先輩が好き…です。」

永瀬『……。』

もう一度私は、

先輩の首に腕を回すと

永瀬『…』

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先輩は安心したように口元を緩めて

そして静かに

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柔らかい熱が落ちてきた。

先輩って、そんな顔面なのに

真面目な人なんだなぁ、なんて、

呑気な事を考えていたのも最初だけ。

我慢していたものが溢れ出すように

先輩は何度も角度を変えて

上から甘いキスが繰り返される。

髪に触れていた先輩の手がやがて

ゆっくりと下に降りてくる。

久しぶりのこの感覚に、

情けない声が漏れてしまう私。

永瀬『……なぁ』

「……はぃ…っ」

永瀬『…廉って呼んで』

「…っ！……そんなの…呼べません…」

時より耳に届く、

先輩の甘ったるい言葉に

いちいち反応する私を、意地悪に笑う。

永瀬『…いいから。』

「…だって……っ…先輩…だもん。」

永瀬『彼氏やろ。』

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