37 ページ37
.
おかしいと思ったよ。
この私が何も失敗せず、
ハプニングも無く一日を終えるなんて
おかしいと。
.
ホテルのロビーで、
「……申し訳ございません。」
永瀬『どうすんの、お前これ。』
「……。」
静かぁーーに、私は怒られていた。
.
一体何があったかと言いますと…
永瀬『一部屋しか取れてないて、どういう事。』
「…すいません。」
永瀬『で、他の部屋も空いてないと？』
「…はい…そのようです。」
永瀬『ガチで無いわ、お前。』
.
.
お分かり頂けましたでしょうか。
実は私
ホテルの宿泊の手配を、
盛大にやらかしておりまして。
先輩の言う通り、
一部屋しか予約が出来ておらず、
そして他の部屋も埋まっていると。
更にこの辺は
ホテルが殆ど無く、他を探すのは不可能で。
選択肢は二つ。
同じ部屋で一晩過ごすか、
.
「…外で寝ます、私。」
もしくは、野宿か。
.
.
でも、
そんな事を許してくれるはずもなく。
先輩は黙ったまま携帯で、
どうにかして他のホテルを探している様子。
先輩の頭の中には、
同じ部屋で私と一晩過ごすという選択肢は
絶対的に無いのだろう。
でも、多分こんな時間に探して
あったとしても部屋は埋まっている。
だから…
.
「…だ、大丈夫です。」
永瀬『なにが』
久しぶりに聞く、怒った先輩の声に
怯えて肩が上がる。
でも、もういいや。
どうせ何言っても怒られるし、
てかもう怒られてるし。
「あの、…私、別に先輩に変な事しないですし。
だからその、…もう、同じ部屋で寝ませんか？」
.
どの身分で言ってんだ、って感じだけど。
でもこのままでは、らちが明かない気がして…
すると先輩は、
.
.
永瀬『アホか。俺が自信ないわ。』
.
と、言って
先輩はまた携帯の画面をスクロールし始めた。
.
.
えっ…
それって…それってつまり…
.
.
申し訳ございません、先輩。
こんな時に不謹慎だとは思うのですが、
急にそんな男を出されたら、
私、ときめいてしまいます。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
