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外はまだ暗く、
日が昇る前の静かな朝の5時。
携帯の画面に表示された名前
“永瀬先輩”
私はその画面を見つめて、
そういえば…と、ある事に気付く。
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永瀬先輩との連絡手段といえば
基本的に電話ではなくLINEでのメッセージだ。
それもその全てが業務連絡の内容だから
何気に初めての電話。
それも、
朝のモーニングコールって…
「…彼氏かよ。」
と、そう勘違いしてしまいそうになる。
ま、でも、
これも一種のパワハラだと思えばいっか。
私は、
えい！！っと画面をタップした。
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プルルルルルル〜
プルルルルルル〜
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プルルッ
「…あ！先輩？」
永瀬『…………………』
3コール程で、
先輩は電話に出てくれたけど、
「おはようございます！5時ですよ！」
永瀬『………ぅん……』
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少し掠れた寝起きの声が
なんだか新鮮で、妙にドキドキした。
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永瀬『………んふふふ…』
「…ど、どうしたんですか？」
恐らく寝返りをしたシーツの音が
電話の向こうから
カサカサと雑音で聞こえてくる。
永瀬『…ぁりがと…』
「……。」
胸の奥がドクンッと跳ねるように脈を打つ。
ん''んーーーー
と、電話の向こうで伸びをするような先輩の声。
こちらまで
寝起きの体温のようなものが伝わってくる気がした。
このままでは、
私の心臓が持ちそうにないと思い
慌てて頭をブルブルと横に振る。
「…じ、じゃあ…切りますね。」
永瀬『…ん………あとでな…』
「…はい。…またあとで。」
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数少ない言葉だけを交わして終えた電話。
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なに、なんだこの感じ…
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寝起きの甘い声が
未だ耳に残って離れない。
そっと自分の手を
心臓の方に当ててみる。
鳴り止まない脈の音。
ずっと考えないように
意識しないようにと
自然と抑え込んでいた想いが今…
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「……やばい…」
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あんな飛び抜けたハイスペック男、
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「…あぁーーーーーー！！！どうしよ…」
バタバタとベットの上で暴れる。
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私、…永瀬先輩の事…
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
