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とても充実した毎日だった。
眠たいし、
目も疲れるし、
目の下にクマなんて出来るしで
もう大変だったけど、
「なんか楽しいです！！」
永瀬『んふふ、…そら良かったな。』
「はい！！」
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残業中の先輩は、いつもと少しだけ違う。
ジャケットを脱いで
ネクタイを緩めたスーツ姿の先輩は、
普段より少しだけ優しい雰囲気に変わるの。
同じ資料を二人で見合ったり、
私が作った書類を覗いてきたりと、
次第に、私達の距離も近くなる。
「……。」
私は、気付かれない程度に
先輩の横顔を盗み見た。
先輩の少し焼けたスベスベな肌。
その上に小さなホクロがあって、そこには
つい、指で触れたくなるような愛おしさを感じる。
フワッと丸く髪で覆われた後頭部。
長くて綺麗な首筋。
近くで見れば見るほど
先輩の容姿に目が奪われていく。
特別な感情が無くても、誰でも
きっと皆こうなると思う。
それくらい、
先輩は、美しく、そして艶やかさも兼ね備えた
本物のイケメンだって事。
私、
よくこんな人と毎日一緒に居て
平気で過ごしているよな。
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永瀬『なんや。』
「……ッ！！」
あまりにも私は、
凝視し過ぎたみたいだ。
先輩の綺麗な横顔が、
ゆっくりとこちらに向きを変えて、
今度は真っ正面で見つめられる。
「…あ、ご、ごめんなさい。…つい」
永瀬『つい？』
「いや、つい。…その。」
永瀬『なんやねん。』
眉間にシワを寄せて
怪訝そうにする先輩。
そんな顔しなくても。
ちょっと集中力が切れちゃったんだもん。
「先輩の、ホクロ見てました。」
永瀬『……。』
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と、私は正直に伝えると、
先輩は何故か黙ったまま、
切れ長の瞳が大きく揺れた。
「ふふ、あれ？怒らないのですか？」
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は？
とか、アホか。とか、
こんな言葉が返ってくるだろうと待っていたのに。
「…先輩？」
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じっと見つめられるこの時間。
その茶色い猫のような目に、
私は一気に吸い込まれていく。
先輩の細い腕が、
ゆっくりと私の顔に近づいてきて
そして、
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.
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永瀬『お前も、ここにある。』
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
