～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ29)

今日:14 hit、昨日:35 hit、合計:711,311 hit

29 ページ29

.

永瀬『って事やからお前、

今日から定時で帰られへんで。』

.

「…え」

.

そう…

さっきまでの私は、

出張という名の名古屋観光イェーイ！

という完全に舐め腐った考えをしていたが、

イベントまでの2週間。

プレゼンの資料作成など、その他諸々、

怒涛の準備に追われる事となる。

.

先輩はまた机に肘をついて

ニヤッと笑って意地悪に言う。

.

永瀬『楽しみやな？』

「……。」

.

無駄に綺麗な歯を

チラッと見せて笑う先輩の姿は、

やっぱり意地悪な鬼、…いや、…悪魔だ。

.

.

.

そして、

とうとうイベントに向けての2週間、

怒涛の準備に追われる日々が始まった。

「先輩、これどうですか？」

永瀬『ん？あー、ありがと』

「あと、ちなみになんですけど＿＿」

.

営業が終わり、

私と先輩は会議室に移動する。

永瀬先輩は大きな机に大量の資料を広げて

難しい顔をしながら、

ノートパソコンを睨みつけている。

その周りで私は

イベントに参加する人数や客層、年齢層など

リストを集めていく。

永瀬『あ、新幹線とホテルの手配してくれた？』

「はい！それはもう、バッチリです！」

永瀬『ん。』

あとは、

私達の出張先のホテルや交通機関の手配

製品発注、アンケート作成

その他にも小さな業務が山ほどあった。

そして、メインとなるのが、

プレゼンに必要な資料作り。

「先輩、発注終わりました！」

永瀬『はい。じゃあこっち来て。』

「はい！」

先輩に言われた通り隣に座ると、

ノートパソコンを私にも見えるように

向きを変えてくれた。

永瀬『とりあえず、イベント会場やねんけど＿＿』

ノートパソコンの画面を指差しながら先輩は、

私にも分かるように当日の流れを教えてくれた。

指示をするだけでなく

時折、私の意見を聞いてくれたり

永瀬『んふふ、眠い？』

「いえ！…ぜ、ぜんっぜん平気です！」

永瀬『嘘つけ、あくびしとったやろ』

私の様子を確認してくれたり

永瀬『お前、ブラック飲める？』

「ブラック？」

永瀬『コーヒー。』

と、たまに休憩を挟んで

先輩が甘いミルクティーを

私に買ってきてくれる。

.