～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ23)

今日:21 hit、昨日:64 hit、合計:710,942 hit

23 Kaito side ページ23

Kaito side…

永瀬『アホかッ！』

「…で、でも」

永瀬『言い訳なんか要らん！…あのなぁ＿＿』

.

ふふふ

まーたやってるよ、あの2人。

下を向いてしょんぼりとするAの前で

容赦なく罵声…いや注意をする永瀬先輩。

見てる側からすれば、

ただの夫婦喧嘩にしか見えない

ほのぼの感。

神『なに、Aちゃん、また廉に怒られてんの？』

『アハハッ、そうみたいっすね』

神先輩も、

あの2人を見て楽しそうに笑っていた。

.

.

神『さ、俺らも行くか！』

『はい！』

神先輩は、

あ、神宮寺って長いから、

ジンでいいよって

先輩が言うからそう呼んでるんだけど。

とにかく、めちゃくちゃに優しい先輩って感じ。

永瀬先輩とは、まぁ真逆の人だね。

俺が永瀬先輩だったら

うん、とっくに心折れてるな、多分。

あの人、後輩にはとことん冷たいよぉ？

A、よくやってるなぁって俺、思うもん。

神先輩とは、

車の中でも基本的に雑談ばっか。

お互いの趣味の話とか、プライベートな事まで。

神『Aちゃんって、彼氏とか居んの？』

.

.

『え！！！？』

俺は大きく目を見開いて

身体ごと先輩に向ける。

神『待って、そういう意味じゃないから。』

『…いや、でも』

神『俺、彼女居るし。』

いや…彼女居ても神先輩なら

下手したら、みたいな所あるよ？

『ちなみに、Aは彼氏居ないっすよ』

神『ふーん。そうなんだ。モテそうなのにね？』

『んーー、俺はタイプじゃないっすけどね』

俺はもっと、大人の女性というか。

俺を激甘に甘やかしてくれるお姉さんというか

なんていうのかな、もっとこう…

神『あの2人、お似合いだと思わない？』

『あの2人？』

神先輩はニヤニヤしながら、

赤信号の所で、車を止めた。

神『廉とAちゃんだよ。』

『アハハッ、んー、どうですかねぇ？』

確かに最初はA、

永瀬先輩の悪口しか言ってなかったけど

そういえば最近聞かないかも。

『でも永瀬先輩、後輩苦手っすよね。』

神『んー、…俺もそう思ってたんだけどさぁ。』

神先輩は、

遠くを見て意味深な表情をする。

神『廉の奴、なんか最近変わったんだよ。』

.