～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ20)

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永瀬『こいつ、送って帰るわ。』

神『Aちゃん、大丈夫？顔が真っ青。』

「…はははは…大丈夫…ではないですね。」

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公園のベンチで先輩が、

今までで一番優しい笑顔を見せてくれた直後に

私は、とんだ醜態を晒すことになるとは…

海人『A、公園で吐いちゃ』

「ぁぁぁぁあああああ！！もう、やめてよ海人」

海人『…あ、ごめん。』

あー、最悪だ。

先輩の前で私は…

永瀬『それ以上言うたら、こいつまた泣くから。』

「…もう、泣きませんよ」

永瀬『んふふふ、よく言うわ。』

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なんとか無事？終わった歓迎会。

先輩は、

私のスピードに合わせて

ゆっくりと肩を並べて歩いてくれた。

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「…あーあ。」

永瀬『ん？』

頭痛いし、まだお腹がギュルギュルいってるよ。

お酒なんて飲むもんじゃないね。

お水が一番美味しいや。

「先輩にご飯連れてってもらう気満々だったのに。」

まさか、

あの鬼先輩がそんな事を言ってくれるなんて

思わなかったからさ。

でも、今回のミッションは失敗しちゃったから。

永瀬『なにが食いたいん。』

「……。」

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食べたい物を聞くだけ聞いて、

実際は連れて行ってくれないという

クソみたいな嫌がらせじゃないでしょーね。

「……お肉。」

永瀬『おぉ。ええやん。』

「ハンバーグ。…焼肉。…すき焼き。」

永瀬『んふふ、吐いた後に凄いな、お前。』

確かに、

気分が悪い時の焼肉なんて最悪なのに。

先輩となら別に、

永瀬『すき焼きか、焼肉。』

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先輩は、

右口角だけキュッと上げて笑いながら

私を見て言った。

永瀬『どっちがええか考えといて。』

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驚いた顔をして見上げる私の顔を見て、

先輩は分かりやすく照れたように

鼻を触って目をそらす。

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「…どっちも、がいいです。」

永瀬『フハハッ、お前厚かまし！』

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先輩って、

そんなに優しかったですか？

先輩って、

こんなにカッコよかったかな。

先輩って…

「…好き。」

永瀬『……。』

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