～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ2)

今日:23 hit、昨日:64 hit、合計:710,944 hit

2 ページ2

.

海人とは、

新人研修でグループが一緒だった事から

連絡を取り合う仲となった。

私達の部署は、

主に営業がメイン。

特にこの部署は男の人が大半を占めているらしく

それだけで私の不安は大きく膨らむ。

海人『皆の前で自己紹介しなきゃだよね』

「…えぇー、やだぁ。」

海人『ふふっ』

だから、

同期が同じ部署に居るというだけで

私にとって海人は、とても心強い存在だ。

.

.

.

海人『髙橋海人です。よろしくお願い致します！』

「…よ、宜しくお願い致します。」

パチパチパチパチ～

パチパチパチパチ～

大勢の人達の視線を浴びながら

私はぎこちない挨拶を済ませた後、

部長「じゃあ、北川と髙橋。」

「は、はい！」

海人『はい！』

少しだけ怖そうな部長に

こっちこっちと、手招きをされ

私達は別部屋へと案内された。

.

.

営業とは、社会人とは、など

恐らく基本的な事のような話を聞かされる。

部長「君達は半年後、一年後にはどうなりたいか。

そうなる為には今、何をしないといけないのか。

常に、ゴールからの逆算をしながら行動してほしい」

ゴールからの逆算か。

半年後、一年後には私も、別に完璧でなくとも、

社会人としてしっかり、馴染めているといいな。

部長の話を聞きながら、

私は未来の自分を少し想像した。

部長「よし、じゃあさっそくだが。

君達には半年間、指導係がつく事は知ってるな？」

そう。

いきなり1人で営業に行ける訳ではない。

半年間、私達には指導係が付くというのは

すでに研修の時にも聞かされていた。

優しい人だといいなぁ。

できれば、

褒めて伸ばしてくれるタイプの先輩とか。

なんとなくこれから一緒に共にする先輩像を

私は勝手に頭に浮かべていると、

部長「入れ。」

部長室に、

2人の先輩が入ってきた。

部長「よし、じゃあ髙橋。

お前の指導係がこいつだ。」

.

.

神『神宮寺です。宜しくね。』

海人『はい！宜しくお願い致します！！先輩！』

うわぁ～

なんだこの、プリンス…じゃなくて先輩。

真っ白な歯を見せて笑うその笑顔は、

この世の物とは思えない、

まるで王子様のような人だった。

.