～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ4)

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海人『めちゃくちゃ楽しかったねぇー！』

「は？」

海人『え？てか、A。なんか老けた？』

「……」

帰りの電車。

海人は何やら楽しそうに

今日1日の事を話しているが、

海人『先輩、超優しくない？俺、超好き！』

「…へぇ～」

海人『なんか、更にやる気出たって感じ！』

「……。」

海人。

てめぇ、それは良かったなぁ。

優しい優しい神宮寺王子が

きっと手取り足取り教えて下さったんだろーがよぉ。

こっちの方はなぁ…

こっちの方は…

海人『てか、永瀬パイセンも超イケメンだっ』

「どこが！！」

海人『…え』

あんなの…

あんなやつ…

「…鬼だよ、あれは。」

そう。

あれはイケメンの仮面をした、鬼。

「…海人。…私、仕事辞めたい。」

海人『ええへへへぇ！！？マジ！？早くない？』

「辞めたい。あんな人やだ。優しくない。」

海人『待って待って、そんな？』

社会人とは、

そんなに甘い世界ではない。

学生の頃とは訳が違う。

責任は全部、自分になるのだから。

楽しい事ばかりではない。

と、こんな事をどこの誰かも分からんおっさんが

話していたのは覚えているよ。

だから、私なりにね？

いろんな覚悟を決めてやって来た訳ですよ。

なのに私は、

海人『とりあえず明日！明日は行こ？ね？』

「…はぁ…」

海人『アハハハッ、そんな落ち込むなって！』

初日で、

すでに心が折れかけていた。

というか、もう折れました。

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