～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ15)

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1.乾杯のときは、グラスの位置を低く持つ

2.先輩のグラスが空になったらお酌をする

3.目上の方が食べ始めてから食事に手を伸ばす

4.出来るだけ全員に挨拶をしに自分から行く

など、それ以外にも沢山のマナーを

先輩に教えてもらった。

永瀬『な？落ち着いて食われへんやろ？』

「…た、確かに。」

永瀬『んふふ。』

なーんだ。

全然、歓迎会じゃないじゃん。

つまんないの。

私は不貞腐れたように

口を尖らせる。

すると、

永瀬『マナーがちゃんと出来たら食わしたるわ。』

「え？どういう事ですか？」

先輩は、前を向いたまま、

永瀬『俺が飯連れてったるやん。』

「……。」

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私は黙ったまま、

少し恥ずかしそうにする先輩をじっと見つめる。

永瀬『…なんや。』

「……。」

先輩の言葉を、

もう一度頭の中で並べて、

ようやくその意味を理解した私は思わず

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「え''ぇぇえええええええええええええ！！！？」

永瀬『…っるさ』

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という事が、数時間前にありました。

そして今、

つまらないと思い込んでいた歓迎会も、

むしろマナーを完璧にこなしてやろうと

やる気がみなぎる私。

永瀬先輩、なに食べさせてくれんだろ。

お肉？寿司？中華？

あーー、どれもいいな。うふふ…

よしっ！

じゃあまず初めに、

他の先輩方へ挨拶をしに行こう。

「先輩、私行ってきます！」

永瀬『あ、ちょ待て。』

「え？」

立ち上がろうとした私の腕を掴み、

先輩は何故か私を引き止める。

永瀬『お前、酒飲めんの？』

「え？…あ、」

飲めないです。激弱です。

いや、でも待てよ。

永瀬先輩、新人歓迎会マナー講座その5

自分のグラスにお酒をついでもらう時は
両手でグラスを持つ。

なんて言っていたな？

という事は、先輩にお酒をついでもらうというのも

基本的に断る事は許されないという事だよね。

飲めなかったら、アウトって事？

じゃあ…

「…の、飲めます！」

永瀬『ほんま？』

「めちゃくちゃ飲めます！底無しの酒豪ですよ私！」

永瀬『ほぉー…、それは知らんけど。ならええわ』

飲むしかないでしょ！

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