LOVE 風に乗って。〜天使に捧ぐストーリー〜 3rd

STORY 103 ページ3

「ただいまーっ」







優が帰って来た。








「おかえりなさーい」









私が玄関まで迎えに出ると、優は傘立てにささった傘を見るや否や一気に不機嫌になった。









「お前、今日買い物行くって言いながら、どこ行ってたん？」









「えっ？なんで？買い物してただけだよ？」









「誰と？一人ちゃうよな？」









優の怒ってる意味が分からない。








「一人やから！」









「嘘つけ！じゃあこの傘なんなん？」









「えっ？あっ…」









持ち手の裏に書かれた文字が目に飛び込んだ。








『フジテレビTWO』









「あっじゃないよな？誰と会ってたん？」









正直に話したって、きっと信じてもらえない…









「誰とも会ってないもんは会ってないねん！なんで優にそこまで言われやんとあかんの？」









私はそう言うと自分の部屋に逃げ込んだ。









.









「A…ごめん…」









暫くしてドア越しに優の声が聞こえた。









「俺、お前が大事過ぎんねん…





もう絶対傷付いてほしくないし、傷付けたくない…






ただ、赤ちゃんが産まれるまで穏やかに暮らしてほしいねん…







この先、俺の事愛してくれなんて言わへん…





でも、俺はお前が死ぬほど好きや。






俺がお前を絶対に幸せにする。









約束する…






.









だから…









残りのお前の人生、俺にくれやんかな…」









.








私は溢れ出る涙を抑えられなかった。









涙の意味は分からない…







ただ、ただ溢れ出してくる。









.









私は泣きながら部屋の扉をそっと開けた…









.



「優…」

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