2「動揺」 ページ32
今日も俺は朝練をしに早めに学校へ行った。
でもAは来なかった。別にそれはたまにあるから変なことじゃない。
教室に戻ればAは座っていて、何やら英語の単語帳を開いていた。
「何してんの？勉強か」
『そうよ。今日単語の小テストあるの知ってる？』
「嘘だろ・・」
『嘘じゃないよ(笑)しかも1時間目だよ英語』
「それ早く言えって！」
だから今日、Aは来なかったのか。知ってるなら昨日のうちに言ってくれればよかったのに！
俺は慌てて単語帳を開いた。それを見たAはくすくす笑ってた。1時間目まであと15分。
・
「マジ、危なかったー」
昼休みになった。返された30点中16点の小テストの紙を見ながら、安堵した俺。
半分以上点を取れないと再テストになるからだ。
『ふふっ、よかったじゃん！』
「お前さ、もっと早く言ってくれればよかったのになんで黙ってたんだよ」
『だって忘れてると思わないもん。毎週ある小テストなのに』
俺の斜め前の席に座っているAは、自分の小テストの紙をヒラヒラさせながら言った。
「そんなお前は何点？」
Aは無言で紙を見せてきた。くそ、当たり前のように満点取ってやがる。満更でもないドヤ顔を向けてきた。
・
友達「あ、A〜ご飯一緒に食べよ〜」
『うん、いいよ〜！今日サンドイッチなの？オシャレ！』
友達「コンビニのだよ？(笑)」
Aと仲いい友達がAをご飯に誘ってしまって、喋る機会をなくした。
仕方なく俺もコンビニのパンを取り出して昼飯にしようとした。
友達「よ！昼一緒に食おうぜ」
「おう・・」
友達「んだよ、なんかテンション低いなぁ・・Aちゃんか？お前ら仲いいよなー！どんだけ好きなんだよ」
「・・・は？好きって・・！は？？」
友達「あ？嫌いなのかよAちゃんのこと」
「いや嫌いじゃないけど！・・・？」
友達「じゃあ好きなんじゃん？」
友達にそう言われて、なぜか動揺した俺。嫌いなわけないけど、別に好きってわけでも・・。好きって、恋愛的に使う言葉だよな？
頭の中をぐるぐると回る”好き”。この言葉がAに対して合っているのか分からなくて考えすぎたあげく、今日のコンビニパンは味がしなかった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです！参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (
レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みあ | 作成日時：2021年9月25日 14時
