Case3:バスケ部の渡辺くん×受験 ページ30
『偉いね、いつも朝練してさ』
そう言って体育館のステージに座って足をブラブラしてる、A。
「練習しないと上手くなんねぇだろ」
俺はAの言葉に返事をしながらシュートをした。
毎日ではないけど、朝早めに起きて登校しては、朝の会が始まる5分前までバスケの練習をしている俺。そしてそれにたまに付き合って相手してくれるA。
『中学生の時はあんなに早起きが苦手だったのに(笑)』
俺はAと中学から一緒だった。お互いバスケ部に入っていて、切磋琢磨をしてきた。
だけどこの高校には女子バスケ部が存在しなくて、Aはマネージャーになったんだ。
「やろうと思えば俺だって出来んだよ」
『じゃあもうちょっと勉強にも力を入れようか(笑)』
「身体を動かすほうが得意だから」
もうすぐチャイムが鳴る。そろそろ教室に戻らなくちゃいけない。制服の上着を着て、教室へと向かった。
「ところでさ、今更の疑問なんだけど、なんでAは女バスがないここを受験したわけ?」
『ほんとに今更な質問だね(笑)もう3年なんですけど』
「急に気になるタイプだから俺」
『・・・なんでだろうね。ここが良かったんだよ』
あまり答えになってない答えを聞いて、少し離れた自分の席に座った。
・
先生「さてそろそろ受験も本格的になってくるぞ。大学入試共通テストの出願をしないといけない。その話は今日の総合の時間にするから、そう思っておいてくれ」
今年に入ってから先生から、親から、親戚から飽きるほど聞いてきた受験という言葉。
俺はもう高校3年生だ。夏休みが終わって2学期が始まった頃。余計にその言葉ばかり聞くようになってきた。
でも俺はもう、バスケの推薦で行く大学は決まってる推薦組だ。だから共通テストなんて必要じゃないけど、この教室にいる大多数はこのテストを受ける。Aもそうだ。
友達「いいなぁ翔太は。もう大学決まってんだろ?安泰じゃん」
「勉強ができないから推薦にしたんだよ」
『まぁそれ以上にバスケを頑張ってきた努力が実っての推薦でしょ?』
Aは俺の肩にポンと手を置いて言った。
友達「まーそうか。じゃあ俺らは勉強頑張らないとな」
『翔太に負けてられないからね!』
こうやって言われるたび、かばってくれるのがAだった。
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです!参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2021年9月25日 14時