12「プライベートの彼」 ページ13
約束の5分前に外に出たら、駐車場に止まっていた黒い車と、その車に寄り掛かっていた長身の男性が見えた。
「目黒、くん?」
目黒「はい?あ、先輩!すみません(笑)いつもと違う雰囲気なんで気づきませんでした」
「私も。最初誰かと思ったよ〜(笑)」
ジャケットにジーンズを履いて、ベレー帽まで被ってる。ベレー帽を私服に取り入れるって上級者すぎない?
「モデル?」
目黒「や、違いますけど」
「私が雑誌の編集者だったら、絶対スカウトしてるね」
目黒「昔、何度か声をかけてもらったことはあるんですけど、お断りしてて」
「もったいない!」
目黒「それより、早く行きましょ?」
目黒くんの一言で車に乗って出発した。
・
スーツ以外で目黒くんと会うのは・・ましてやふたりきりなんて状況では仕事以外初めてで。
目黒「緊張してます?」
「そりゃまぁ・・」
目黒「俺もです。絶対に事故らないように、って運転してますから」
「あ、その緊張?(笑)」
街灯に照らされる街を駆けてゆく。ちらっと見た目黒くんの横顔さえ輝いて見えた。
しばらく走って、駐車場に入ってゆく。
目黒「近くに止めるところないんで、ここからは歩いていきましょ」
「うん、そうだね」
目黒くんと歩幅を合わせて歩く。
「目的の場所まではもうちょっと?」
目黒「あと2〜3分くらいですかね・・」
なんだか続きの言葉が見つからない。仕事中なら、仕事の話ができるのになぁ。
少し歩くと、キラキラした世界が徐々に広がってきた。
「わぁ・・・!すごい!!」
駆け寄っていこうとしたら、後ろから手首を掴まれた。
目黒「先輩、イルミネーションは逃げませんから(笑)」
「、そうだった、ね(笑)」
突然の出来事に驚いていると、
目黒「・・プッ、ふふっ(笑)」
「な、なに笑ってんのよ!」
目黒くんがお腹を抱えて笑っていた。
目黒「いや、やっぱりイルミネーション好きなんだなぁって思って」
「そりゃ、綺麗だもん、好きだよ?」
目黒「そんなに喜んでもらえるなんて、先輩とここに来れてよかった・・!」
そう言って微笑んだ目黒くんは、ふわっと優しい雰囲気が漂っていた。
いつもクールな目黒くんの素の部分に触れた気がして、胸の奥がきゅっとなった。
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです!参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2021年9月25日 14時