5「感情の正体」 ページ35
『翔太、今日はさすがに授業中寝すぎ』
帰り道、Aに言われた。まぁ自覚はある。朝早く起きたせいだ。
「全部眠い授業だったもんまじで。俺を寝かせにきてるんだと思ってさ」
『どーしてそんなに早く起きれたのよ今日』
どうして・・・。というか、そんなに寝れなかったんだよな。ずっと考え事をしていたから。
俺は結局、友達に言われた”好き”の正体を明確に見つけられずにベッドの中に入ってもずっと考えていた。
俺が昨日の帰り道、Aに好きと抱いた感情とか、Aにかっこいいよと言われて、自分でもびっくりするほど動揺したこととか・・。
考えていくうちに、Aに対して、俺は恋愛的に”好き”なのかもしれないと気づいてしまったから。
朝練にAが来るまで妙な緊張感があってシュートは全然打てないし、来たら来たで、距離が近くて目が合っちゃうし。
なんか笑顔が素敵だったし。
「・・・わかんね」
『なにそれ(笑)』
ちょっと困ったようにAは笑った。
『・・・あ、翔太聞いて?』
「なんだよ」
『私ね、これからは朝早く学校に行こうと思う。・・自分の勉強のために。だから、翔太の朝練には付き合えないかもしれない。』
「そっ、か」
衝撃の言葉ではあった。けどそれは俺に断りを入れる必要は別になくて、自分のために自分の時間を使うのは当たり前で。
ましてや、今まで俺の朝練に一緒に来てくれたことだけでも嬉しかった。
「別にいいよ。受験なんだしそれが当たり前だろ?俺だって、この朝練は自分のためにやっているわけであって、Aが自分のために時間を使うことはいいことだろ?」
『そう?』
「うん、まぁお前は、そんなに根詰めて勉強しなくたって元々頭いいから大丈夫だとは思うけどさ」
『そうでもないよ、私が狙っているところはちょっと私的にはハードル高め』
「そーなの?」
『うん、だから頑張るの』
「そっか。応援してるから。Aが頑張るなら、俺も頑張る」
『じゃあ、一緒に頑張ろうね』
そう約束をして、帰った。
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです!参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2021年9月25日 14時