50「俺ならいいのに」（深澤side） ページ2
「舘さん、俺この可愛い子連れて帰るわ。」
話さえしなくなってそのまま寝てしまったA。どう考えても俺が介抱してやらにゃ帰れなそうだし。
宮舘「まーた、狼になっちゃうの？」
「ならない。大事な人だから。・・って、え？」
咄嗟に出た自分の言葉に驚いた。酒入ってる割には確かな言葉で。
宮舘「誰かさんが積極的に行くには行動しろなんて言ってたけど、言葉にするのも大切だと思うよ？」
「・・うん、分かってる。」
宮舘「じゃあタクシー呼ぶね」
・
舘さんが呼んでくれたタクシーにAを担いで乗せて、行く先は俺ん家。
家は知ってるけど、勝手に女の子の家に上がるのは申し訳ないという、俺の少しの配慮。
とはいえ、男の家に連れ込むのもどうかと思うけど、そんなのこんな状況で言ってられないし。
Aをおんぶしてベッドまで運んで布団をかける。
酔いが回っているのか、運ぶまで体を色々動かしていたのに全然起きる気配はなくて、びっくりするほどすやすや寝ている。
さっきまで話していた友達のことで、相当悩んでいたのか？
途中、まるで自分の話かのような口ぶりだったけど。
・・・やっぱり、A自身の話だったりして？
そうだとしたら、Aが言ってた、元気で優しくて、笑顔がふわふわしてる感じの男って誰だろうって気になってまう。
あの康二くんなのかな。
それが俺ならいいのに。
気持ちよさそうに眠るAの頭を撫でていたら、俺も少しずつ眠くなってしまった。
・
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作者名：みあ | 作成日時：2021年8月30日 17時
