3「有名な作曲家」 ページ4
『・・あれ?もしかして先輩でした・・?』
何も返事をしない僕に動揺した君。
「いや、違う!あ、違くない!?ぼ、僕も2年生だから一緒!」
慌てて答える僕。
『よかった。間違ってたら失礼になるところだった。
それ、もらってもいいかな?』
僕の手元を指さした。
「あぁごめん、楽譜だよね。ずっと持っててごめん」
『んふふ(笑)。そんなに謝らないで?』
楽譜のしわを伸ばして、手渡した。
「・・それ、いつも弾いている曲なの?」
『この楽譜の曲?そう。ショパンの練習曲 木枯らし』
想像してみたけど、全然見当がつかない曲だった。
クラシックは聞いてみないと知ってるかどうか分からない。
『って言っても、想像つかないよね』
「いや、音楽はあんまり詳しくなくて・・」
『そうだよね、昔の曲だもん』
「音楽の授業でショパンが有名な作曲家っていうのは知ってるけど、」
そう言いかけたとき、少し考えた表情をした君は、
『阿部くん、今暇?』
「え?」
『これがどんな曲なのか知りたくない?』
楽譜を片手に問いかけてきた。
暇かと言われればそうではないけど、この子のピアノには興味があった。
「・・・知りたいかも」
『じゃあ、付いてきて』
・
74人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みあ | 作成日時:2023年10月16日 1時